研究課題/領域番号 |
15K11905
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
浜崎 優子 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (00454231)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 介護予防 / 特定保健指導 / 前期高齢者 / 連携システム / 生活習慣病 |
研究実績の概要 |
本研究は,前期高齢者の効果的・効率的支援を目指した介護予防と特定保健指導との連携システムを開発し,高齢者の介護予防や健康寿命の延伸に資することを目的としている.団塊の世代が2025年頃までに75歳以上となる事による社会保障費の急増を抑えるため,現在の65歳以上74歳未満の前期高齢者(以下,前期高齢者)に対する介護予防および生活習慣病の重症化予防は最優先課題である.介護予防と特定保健指導との連携システムの開発は,これまで具体的に実施されているのかどうかほとんど明らかにされていない.本研究は今後のわが国の超高齢社会の健康施策の一助となるものである. 平成27年度は,本研究の初年度であり,前半は,介護予防事業および特定保健指導に関する文献検討を行った.さらに,法的根拠や政策・施策の整理を行い,わが国の前期高齢者に対する支援の全容を明確にした.前期高齢者は,保険,介護両施策の対象でありながら,そのいずれにおいても十分な対策がなされていない状況があった. 後半は,研究協力機関の2市町の特定健診・特定保健指導の担当保健師および保健師長に対するヒアリングを行った.まず,本研究の目的・趣旨,文献検討結果等を説明し,次に,質問紙調査表のたたき台を提示して意見交換を行った.その結果,現場の保健師の目線での指摘を多々得ることができた.そして,本研究の目的を達成するためには,十分な時間をかけて調査表の内容の検討を重ねる必要があることが判明した.また,これまで網羅できていなかった資料の提供もあり,わが国の前期高齢者に対する支援の全容がより明らかになった.今後の質問紙調査表の完成に向けて大いに前進できたと考える.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度の後半に,全国調査の質問紙調査表の内容に関して協力市町の関係部署へのヒアリングを実施したが,ヒアリングの結果,本研究の目的を達成するためには質問紙調査表の内容を慎重に吟味し推敲する必要性が出てきた.そのため,今後も引き続きヒアリングを実施する方向で予定を変更する.その関係で,倫理審査申請を27年度内に実施できなかった.
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,本研究の核となる全国調査の実施を目指す. 前半には,数回の協力市町へのヒアリングを実施し,全国調査のアンケートを完成させ,プレテスト実施後,できるだけ早く倫理審査委員会の承認を得て,全国調査の準備に入る. 後半には,官公庁の人事異動時期を考慮して,遅くても平成29年1月後半までには全国調査を実施する予定である.
※連携研究者(所属・職位)1.岸恵美子(東邦大学看護学部・教授)2.森河裕子(金沢医科大学看護学部・教授)3.森本茂人(金沢医科大学高齢医学・教授)4.中島素子(金沢医科大学看護学部・教授)
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況が若干遅れていることで,共同研究者間の会議の開催が実施できなかったため旅費が少なく抑えられた.人件費も当初予定より若干低く抑えることができた.
|
次年度使用額の使用計画 |
全国調査の業者委託や研究補助の人件費に当てる予定である.
|