研究課題/領域番号 |
15K11906
|
研究機関 | 岐阜医療科学大学 |
研究代表者 |
成 順月 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 教授 (00555055)
|
研究分担者 |
薬袋 淳子 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 教授 (10445124)
鮎川 昌代 広島文化学園大学, 看護学部, その他 (60554293)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | ネット依存 / 思春期 / 中学生 / 介入 / 予防プログラム / インターネット |
研究実績の概要 |
思春期におけるインターネット依存(以下、ネット依存)は、不眠症や無気力、身体機能や免疫力の低下など身体的健康だけではなく、学力低下や社会スキルの欠如、否定的対人関係や抑うつなど精神的健康問題も引き起こしている。海外では国をあげて青少年のネット依存の予防に取り組んでいる。近年日本でも中高生のネット依存傾向が社会問題として注目されているものの、十分な予防対策が確立されていない。我々はネット依存のリスク要因を明らかにするために、2012年から中高生約3000人対象に前向きコホート研究を行った。本研究ではこの追跡研究と先行研究で明らかになった結果をもとに、いつでもどこでも簡単にアクセスできるインターネットを用いたネット依存予防プログラムを開発し、それを用いた介入を行い、その有効性を検証することが目的である。 H27年度は、当初の研究計画の通り、所属の倫理審査委員会に研究計画書を提出し、承認を得た。また、介入に用いる「ネット依存予防プログラム案」を作成し、専門家らの意見を参考に修正し、クラウドシステムの構築を行った。同時に、研究協力を依頼するために、地域の教育長の許可を得た上で対象校を訪問し、本プログラムについての説明を行い、同意を得ている。現在、予防プログラムシステムを運営するために構築したサーバーの最終確認、対象学校のホームページからリンクできるように準備作業などを行っている段階である。対象校の運営上の都合により、当初の研究計画よりサーバーのお試し運用(練習)期間が遅れているが、6月にはプログラムを対象の学校に公開し、アクセスできるように調整し、来年度の3月まで5回の介入を実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画時には、4月~9月の間に各学校を訪問し、本プログラムについての説明を行い、対象学校を選定する予定だったが、対象学校の確保に時間がかかり、研究協力に同意を得られたのは12月であった。また、計画にはH28年3月までにネット予防サーバーのお試し運用を行う予定であったが、対象学校の運営上の都合により、H28年度の5月に実施することなった。
|
今後の研究の推進方策 |
1)平成28年度: 正式にシステムを運用し、介入を行いその効果を随時評価する。おおよそ次の日程で個々人の生徒のネット依存度と生活行動特徴に合わせて、行動変容を促すメッセージをネット上で表示する方法で介入を行う。6月中旬、7月末、9月初旬、11月中旬、12月末~次年度の1月初旬に行う。そして、得られたデータを随時確認し、経時的に分析を行う。分析結果を対象学校に報告する同時に国内外の学会などで発信する。 2) 平成29年度: 介入終了後半年間引き続きネット予防サーバーへのアクセス状況について集計を行い、長期効果を評価する。また、教育用ガイドラインを作成する。4月~9月には、前年度に引き続き、サーバのアクセス状況を観察し、評価する。10月~3月には得られたデータに対して経時分析を行い、その効果を評価し、それを根拠に教育用ガイドラインを作成する。同時に対象校に報告を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究計画時は、H27年度中にネット依存予防プログラムシステムを構築し、サーバーのお試し運用を行う予定だったが、対象学校選定に予想以上の時間がかかったため、サーバーのお試し運用が予定より遅れたため、システム構築代金とサーバー運用代金の支払いがH28年度になったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
システム構築代金とサーバー運用に係る費用(約160万円)とサーバーメンテナンス費用(約17万円)として、使用する。
|