研究課題/領域番号 |
15K11918
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
亜力坤 亜夏爾 国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 特別研究員 (30735064)
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研究分担者 |
森島 圭祐 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60359114)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 垂直回転 / 大範囲 / 可変回転 / 細胞 / 微小重力 / 操作 / 浮遊回転 |
研究実績の概要 |
今年度の課題:旋回流の特性への微小孔の形状、寸法、または流体が触れる表面材料の粗さ、材質、物性により影響を定量化する。 従来のシステムは原理検証のための簡易なシステムであり、短時間回転することを実現しているが、サイズ別の細胞を精密に回転することを実現した(1)(2)、求められた回転速度で細胞を長時間安定に回転することは実現できた(3)。上記の研究結果(1)(2)(3)にて開放空間でのマイクロ流体の3次元的な特性を十分に解明し、旋回流の特性を調査した。気-液2層流モデルを設立し、シミュレーションソフトウェアを利用して、細胞を回転する際に操作対象の周囲に起きたマイクロ旋回流を確認した。このように開放空間におけるマイクロスケールの流体挙動をシミュレーションで分析し、微小孔の形状、寸法とマイクロチップ関連のパラメータにより、変化した旋回流のパタ-ンの特徴、作用力と操作対象の物性関係などを理論上でまとめた。これらの結果に基づき、本システムに使用するマイクロチップの微小孔の形状などの最適設計、及びマイクロチップの材質などが選定できたので、次の課題に進める。
(1)Y. Yalikun, Micromachines, (submitted). IF: 1.627 (2)Y. Yalikun, Microfluidics and Nanofluidics, 20(5), PP.1-10, (2016.04). (3)Y. Yalikun, µTAS 2015. pp.713-715 (2015.11).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに進んでいる。 本研究の回転原理の解明で既に論文1報投稿中(1), 1報採択(2)であり、査読のあり高い水準を誇る国際会議µTAS 2015*における発表も1件達成した(3)。 (1)Y. Yalikun, Micromachines, (submitted). IF: 1.627 (2)Y. Yalikun, Microfluidics and Nanofluidics, 20(5), PP.1-10, (2016.04). (3)Y. Yalikun, µTAS 2015. pp.713-715 (2015.11). *化学・生命科学マイクロシステム国際会議通称µTAS と呼ばれ、いわゆるMEMS技術に基づいたマイクロチップに分析装置や化学プラント、生命科学の実験システムなどをミクロ集積化する科学と技術に関する世界最大の規模と高い水準を誇る国際会議である.
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、下記の2点の課題の解決を目指す。 1.単一細胞の安定した3次元回転を実現するための微小孔の精密化:細胞の擬似無重力回転動作を再現性の高い、安定した回転にするため、報告した研究結果に基づき、マイクロチップにMEMS技術を用いて、微小孔をナノ精度で作製する。これまでの旋回流生成用マイクロチップ上の微小孔は機械加工で作製したが、形状や寸法加工には限界があり、数ミクロンから数百ミクロン単位の直径の細胞を安定して回転するためにより精密な流れを提供できる微小孔の加工が必要である。そのため、加工方法としては精度・再現性の高い加工手法が望ましいである。現在所属している理研田中ユニットにデバイスの開発に必要な技術と設備が有しており、実行可能だと考える。 2.単一細胞の安定した3次元回転を実現するための精密流量制御:本システムの評価機能を実現するため、これまでの研究結果と画像認識技術に基づき、細胞の回転速度、場所、形態変化など情報を利用し、微小水流の高精度制御に適した独自のpL精度レベルでの流量制御アルゴリズムを開発するよていである。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究室の引っ越し、職場の異動により、一部部品の購入は行っておりません。
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次年度使用額の使用計画 |
計画書に掲載した通り、下記のデバイスを購入する予定です。 CCDカメラ、冷却LED(1台×850千円)、画像取り込み用ボード(1台×200千円)
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