研究課題/領域番号 |
15K11923
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
宮本 ともみ 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20361040)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 被災 / 離婚 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、被災地における離婚の実相を探ることにより、今後の被災地支援に役立てると同時に、実態の把握が困難である通常時の離婚についても、その実相を知る手掛かりを得ることである。そのために、3年間の予定である研究期間全体をとおして実施するのは、第一に、各種の統計にもとづいて日本全体の離婚の動向と各被災地の離婚の動向とを比較検討すること、第二に、被災地における相談内容の聞き取り調査にもとづいて離婚に至る経緯・離婚原因・話し合いの状況などを探ることである。本研究において聴き取り対象とする被災は、阪神・淡路大震災、新潟中越地震および東日本大震災である。平成27年度の研究実績の概要は、次のとおりである。 年度前半は、司法統計および人口動態統計などにもとづいて、日本全体の離婚の動向を分析することと並行して、被災地における県および市町村レベルでの離婚の動向も分析し、それぞれの動向を比較検討する予定であった。しかし、実際には、日本全体の大まかな動向を把握するに留まっている。統計などの収集が不十分なために、被災地の離婚の動向について分析するに至っていない。 年度後半は、東日本大震災において法律相談を実施した岩手県・宮城県・福島県の弁護士会および法テラスに対して、離婚に焦点を当てて聞き取り調査を行う計画であったが、岩手県内の個別の弁護士への聴き取り調査に留まっており、一定の考察を行うために十分といえるほどの聴き取り調査を行うことができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定よりも、大学運営に係る業務が増大してしまい、本研究に取り組む時間を圧迫してしまった。結果、本研究を計画どおりに進めることが困難になった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間全体をとおして本研究の当初の目的に到達できるように、常に研究計画に立ち返ることを心掛ける。具体的には、日々の業務に追われるなかでも統計などの収集および分析は研究室で実施することができるので、集中的な時間を定期的に確保する明確な時間計画を立てる。また、被災地における聞き取り調査は、現地に出向く時間が必要なので、早くから日程を確保する計画を立てる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の実施が遅れて、計画していた被災地への聞き取り調査をほとんど実施することができなかった。そのために、聴き取り調査の旅費および調査整理補助が未使用となり、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、被災地への聴き取り調査について、明確な時間・日程計画を立てて、研究計画に即した予算執行に努める。
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