研究課題/領域番号 |
15K11927
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
高木 亨 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (20329014)
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研究分担者 |
瀬戸 真之 福島大学, うつくしまふくしま未来支援センター, 特任准教授 (10386518)
今泉 理絵 福島大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (10725849) [辞退]
本多 環 福島大学, うつくしまふくしま未来支援センター, 特任教授 (10726128)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 災害 / 復興 / 生活再建 / プロセス / 学際的 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、多様な人々の被災経験やそこからの復興に向けた判断や選択を空間的・時空的に整理し、明らかにすることにあった。とくに東日本大震災での福島県の経験を中心に、科研費Cメンバーの得意とする分野について研究を進めた。途中、研究代表者を含めた所属変更や熊本地震の発災というアクシデントの発生で、研究計画に遅れが生じたが、1年の延長を経て、概ねその目的は達せられた。 成果の中心は、2017年に開催された広野町国際フォーラムでのセッション「われわれの復興とは何か」の中で述べられた「何をもって復興となるのか」という点にある。様々なプロセスを経ながらも、「復興した」と感じられるようになるポイントについて、「生活者として復興を意識しない(忘れられる)」「各世代・個人の希望・未来を「あきらめない」」という意識になった段階ではないか、ということである。さらにこうしたことを意識できるもの「基盤としての「安心できる居場所」の確保」がなされること(住まい、地域コミュニティの再形成など)が重要であることが分かった。その一方で、避難や帰還による「「苦しみつづける」子どもたち(終わらない復興)」の存在を忘れてはならず、こうした「復興できない」人々への支援が必要となる。このような成果を得ることができた。 また、自主避難を含む長期避難から、帰還するきっかけとなるのが、様々な情報であり、一時帰宅等で戻ったときの個々人の「これならば戻れるという実感」が大きいこともわかった。その一方で、自主避難により遠方への避難を余儀なくされた人々は、何らかのきっかけ(親族に関する事など)がなければ、戻りにくい状況にあることも明らかになった。
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