研究課題/領域番号 |
15K11941
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
Gill ThomasP. 明治学院大学, 国際学部, 教授 (50323655)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 福島 / 原発事故 / 避難者 / 被災地 / 放射能 / 賠償金 / 除染 / 飯舘村 |
研究実績の概要 |
2016年8月、9月、10月、11月、2017年2月、3月(2回)と計7回福島県に研究出張を行った。福島市内に避難している飯舘村長泥区の区民に聞き取り調査を行い、その内容を自分で、あるいは学生を雇って、テープ起こしを行った。長泥の区民の年次集いに参加して、記録した。福島除染情報プラザに3回足を運び、除染作業の進行具合を確認した。 既に作ってあった『福島民報』新聞のDVD版の5年分を元にした「長泥アーカイブ」という科目別新聞記事のデータを整理したデータベースを拡大して2016年分を追加した。これは学術論文を作成することに当たって重大な資料になる。 2017年3月31日、研究対象の飯舘村は避難命令解除となり、今後は人口の何割が帰村するかは大きな課題となる。サバティカル先のオクスフォードへの出発を十日間延期して避難解除前後の飯舘村の事情を観察した。と同時に、村の20行政区のうち一つだけ避難解除にならなかった長泥行政区の区民の気持ち・反応も詳しく調べた。 研究発表活動が続いて、福島大学うつくしまふくしま未来センターの研究会(6月、東京、日本語、招聘発表者)と全英東アジア研究(Joint East Asian Studies Conference、9月、ロンドン、英語、パネルリーダー)で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由:もっと頻繁に福島出張を行いたかったが、7回行けて、その都度大量のフィールドノートを作成した。『福島民報』の新聞記事データベースを拡大・整理ができ、研究が前進したと思う。学術論文を一本仕上げたし、英語と日本語で発表を行って同分野の学者たちと意見交換ができました。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はサバティカルをもらって、前半(29年4月10日~10月3日)をイギリスに暮らしてオクスフォード大学ニッサン日本学研究所(Nissan Institute of Japanese Studies)に所属している。後半(10月4日から30年3月31日)、日本に戻り福島大学うつくしまふくしま未来センター(FURE)に所属することになっている。学術書の英語原稿をオクスフォードで、日本語原稿を福島で仕上げる予定であり、英語版に関してすでに一流出版社に交渉中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
あと2回ほど福島出張を行いたかったが、仕事の具合によりできなかった。。テープ起こしに関しては前年度よりは実力のあるアルバイターを確保出来たが音声記録の量も増えたから、一部は次年度に回すことになった。
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次年度使用額の使用計画 |
29年10月から半年福島県福島市に住む予定だからフィールドトリップと聞き取り調査のペースを上げることは確実である。その記録であるある録音データをより確実に整理して学生アルバイターにテープ起こししたもらう。
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