研究課題/領域番号 |
15K11942
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
吉川 耕司 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (80220599)
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研究分担者 |
角本 繁 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 研究員 (90425497)
江川 ひかり 明治大学, 文学部, 教授 (70319490)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 震災復興 / 地域防災計画・政策 / トルコ / 国際比較分析 / 時空間GIS / 領域横断的研究 / 歴史・文化と防災 |
研究実績の概要 |
本年度は、年度末のマイルストーンとして「復興状況調査と住民インタビュー調査を行い、分析を完了すること」と設定し、①研究のスタートアップ(比較分析の方法の明確化と調査内容の決定)、②現地調査、③調査結果の分析、の3ステップを設定した。 まず、研究のスタートアップに関しては、年度当初のメールによる意見交換を経て、8月に研究代表者・研究分担者、連携研究者が一同に介し、トルコと日本の比較分析の方法とそれによって得られる防災上の成果を吟味した。これにより、今後の研究方針・調査項目を明確に定めることができた。次に、現地調査には吉川・角本が5月に、さらに11月に角本が赴き、「市の復興過程と現状の把握」をテーマとした調査を行って、新住宅地と都心との交通調査と建物復興状況に関するデータを収集した(吉川は学内研究費を使用)。これらのステップを経て、調査結果の分析の段階に入った。本研究は、社会科学・工学・人文学の領域横断的であることを特色とするが、初年度に関しては、それぞれの研究分野に関わる分析を重点的に行い、2年目以降に議論を踏まえて領域横断的に再構成する予定である。すなわち上記に示した分野順に、吉川、角本、江川がそれぞれ都市・交通・建築、時空間情報、歴史・文化の視座からの政策・行動・状況・意識に関する分析を進め、梶谷の助力も得ながら定量的な情報の一次分析と、定性的情報の記述リストの蓄積を完了している。 なお、これまでの研究蓄積に本年度の議論を含めた研究成果を、吉川が地理情報システム学会学術講演会で発表している。また年度末には、スペインにおけるイスラム文化の現状に関する調査も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地調査に関して、アンカラ及びイスタンブールでのテロ発生を受けて予定してした渡航を取りやめたため、今年度に行う予定であった「市民の被災行動・住民意識と生活・コミュニティの状況の把握」のためのインタビュー調査を行うことができなかった。「今後の研究の推進方策」に関わる対応が今後必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の計画通り、平成28年度には「政策・歴史に関する情報を得、記述的解説リストを作り上げること」、平成29年度には「対比一覧表・提言といったアウトプットを完成させること」を、マイルストーン及び目標として研究を推進していく。 ただし、「現在までの進捗状況」に記した現地調査の一部が今年度に行えなかったことに関しては、平成28年度の渡航日程を予定より延長して同時に行うことによって対応したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の江川に100,000円を配分したものについて、すでに記したトルコへの渡航自粛により、現地調査の一部を延期したことを受けて、関連費用が今年度は不必要になった。
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次年度使用額の使用計画 |
江川への平成28年度の配分額300,000円と合わせた400,000円について、平成28年度の調査出張のための海外旅費としての使用を予定している。
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