最終年度は、4年間の助成期間の集大成として、地域での対応が進まない要配慮者支援という地域課題に対し、地域住民と福祉従事者等の専門職が連携して取り組む要配慮者支援をテーマとする宿泊型防災訓練の実施及びその検証を目的とするシンポジウムの開催を通じて静岡市駿河区西豊田地区における住民支え合い支援体制モデルを確立することができた。 平成27年度の研究費助成採択が10月と遅れたため、27年度は研究準備期間として、地域住民や関係者との打ち合わせや活動の中心となる「西豊田学区地域支え合い体制づくり実行委員会(以下、実行委員会)」組織化の準備を進めた。平成28年度から、研究代表者を中心に月に1回の実行委員会を開催し、地域での要配慮者支援の課題や対策を協議し、要配慮者の特性や災害時に求められる配慮を学ぶワークショップや障害児・家族が参加する宿泊体験などの参加型防災教育を取り入れ、その結果に基づく実践的な宿泊型防災訓練を継続実施してきた。また、この参加型防災活動を振り返り、課題や対応を検証する要配慮支援シンポジウムも毎年開催した。 宿泊型防災訓練のプログラム内容も毎年バージョンアップを重ねてきた。平成28年度は指定避難所での福祉スペースの確保・対応を実践し、平成29年度は住民の自主的な福祉避難所の開設・運営訓練の実施、そして平成30年度は平成30年3月に改訂された『静岡県避難所運営マニュアル』に即して避難所運営の運営本部及び活動班(8)を組織化した避難所開設・運営体験、数多くの障害児・者等及び家族の参加による実践的な要配慮者支援、ペットオーナのペットとの同行避難などのリアルな避難所対応を実施した。また、防災講座、宿泊体験、防災訓練などを組み込み、参加者が避難行動や避難所生活を模擬体験し、その中で要配慮者の支援や配慮を考え、地域での支え合いの仕組みの必要性を体験するプログラムを確立した。
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