地域において震災および戦災の記憶・記録をどのように保存・活用していくか、また地域博物館がそれらの活用にどのように寄与していくことができるか、を検証するため、戊辰戦争、アジア・太平洋戦争の2回の戦災で大きな被害を受けた新潟県中越地域を中心に、その活用の実際について調査を踏まえ、「戊辰戦争の戦跡を歩く」という博物館の学習プログラムを試行し、参加者および地域への波及効果について検討した。その結果、博物館の強みである実物資料へのアプローチと現地の持つ景観、地形、人材を複合させることによって、来館者の満足度を上げ、地域へは顕彰活動のやりがいをもたらすことができる可能性があることを実証できた。
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