研究実績の概要 |
アッケシソウを栽培する土壌を砂丘砂(砂)、水田土壌(土)および砂丘砂50%+水田土50%(半)の3種とし、播種密度を16.8 g/m2(疎)、33.6 g/m2(中)および50.4 g/m2(密)の3段階として、それぞれを組み合わせた計9処理(3反復)を設けた。土区の発芽率は著しく悪く、調査対象からは除外した。m2当たり発芽個体数は疎区で4,280個体、中区で8,560個体、密区で15,540個体であった。播種後約1ヶ月は生育が停滞したが、個体当たり乾物重は、半疎区が最も大で、最も生育が劣ったのは砂密区であった。しかし、m2当たり乾物重では、密区の方が疎区よりも大となり、砂区よりも半区の方がよい生育となった。草丈と個体当たり乾物重には高い相関関係が認められた。種子収量は砂中区が16.8 g/m2で最も高く、次いで砂密区が15.8 g/m2であり、最も低収は密半区の4.4 g/m2であった。 岡山県瀬戸内市尻海の塩田跡地に自生するアッケシソウを瀬戸内市の許可を得て、サンプリング調査を行った。自生地は砂質土壌の湛水状態の場所で繁茂していた。個体密度は最大で4,864個体/m2であり、m2当たり個体数と個体乾物重とは、3,9000個体をピークとする単頂曲線で示された。個体当たり乾物重は、自生地の方が栽培実験よりも2倍以上大きいが、m2当たり乾物重は、栽培実験で最大値を示した密半区とほぼ同じ値(1.1kg/m2)であった。 種子の油脂含量を調べたところ、乾燥重量当たり約14%の油脂が含まれていることが明らかとなった。植物体の地上部においては、NaClの有無による乾燥重量当たりの油脂含量の差は認められず、いずれも3~4%の油脂が含まれていた。しかしながら、NaCl処理区においは無処理区と比較して成長が促進されるので、1個体あたりの油脂含量はNaCl処理区で多くなった。
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