研究課題/領域番号 |
15K11954
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
上野 大介 佐賀大学, 農学部, 准教授 (60423604)
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研究分担者 |
水川 葉月 北海道大学, 獣医学研究科, 助教 (60612661)
藤野 毅 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (70282431)
宮本 英揮 佐賀大学, 農学部, 准教授 (10423584)
仲井 邦彦 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00291336)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 放射性セシウム / 河川水 / 農業用水 / 水田負荷量 |
研究実績の概要 |
昨年度に設置した、新田川下流の農業用水取水口付近および用水路の定点において、河川水に関する基礎データである流速や濁度を継続的に測定した。昨年度に検討済みである、河川水の溶存態および粒子態を分けた形で放射性セシウム濃度を分析する手法を活用し、定期的に採取した河川水および農業用水の放射能を測定した。今年は台風時における増水時の河川水採取を実施できたことから、平常時と増水時における河川水中放射性セシウム濃度の違いについて比較検討する。また地元農家の提案により、H27年度より耕作を開始している水田を試験圃場として提供を受けたことで、農業用水を介した水田への放射性セシウム濃度乳乳に関する実測試験の実施が可能となった。水田に流入する用水中の放射性セシウム濃度および耕作期間を通じた取水量を求めることで、耕作期間中に水田に流入する放射性セシウム量を推算できる。あわせてすでに対象水田に蓄積している土壌中放射性セシウム濃度の総量と比較することで、河川水を介して流入する放射性セシウムの寄与率を推算することが可能となると期待される。加えて、今年に採取できた台風時における増水時の河川水のデータも、水田への放射性セシウム流入量を推算する際のパラメーターとして活用する。本調査によって、地元農家や農協が懸念している、高レベル汚染地域を通過する河川水を農業用水として利用することによる、農地の放射能汚染の悪化に対して、実測による答えを提供できる。地元に望まれている情報を提供し、地域貢献に寄与できると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新田川下流の農業用水取水口付近および用水路に定点を設定し、河川水に関する基礎データである流速や濁度を定期測定した。本調査は継続的なデータ収集が重要であることから、今後も継続していく予定である。また地元農家の提案により、H27年度より耕作を開始している水田をもちいた実測試験を実施が可能となった。水田に流入する用水中の放射性セシウム濃度および耕作期間を通じた取水量を求めることで、耕作期間中に水田に流入する放射性セシウム量を推算できる。あわせてすでに対象水田に蓄積している土壌中放射性セシウム濃度の総量と比較することで、河川水を介して流入する放射性セシウムの寄与率を推算することが可能となる。今年に採取できた台風時における増水時の河川水のデータも、水田への放射性セシウム流入量を推算する際のパラメーターとして活用する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度より、地元農家の提案によってH27年度より耕作を開始している水田をもちいた実測試験を実施が可能となった。水田に流入する用水中の放射性セシウム濃度および耕作期間を通じた取水量を求めることで、耕作期間中に水田に流入する放射性セシウム量を推算できる。あわせてすでに対象水田に蓄積している土壌中放射性セシウム濃度の総量と比較することで、河川水を介して流入する放射性セシウムの寄与率を推算することが可能となる。今年に採取できた台風時における増水時の河川水のデータも、水田への放射性セシウム流入量を推算する際のパラメーターとして活用する。本調査によって、地元農家に望まれている情報を提供できると期待される。
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次年度使用額が生じた理由 |
南相馬市の自治体や土地改良区、内水面漁協、農協、地元農家への結果報告を予定していたが、一部の団体との日程的な都合かつかず、来年度に開催することになった。そのため旅費および会議費を来年度に持ち越すこととなった。
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度に結果報告に訪問できなかった地元団体に対して報告会を開催する。その際の旅費や会議費として使用する予定である。
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