研究課題/領域番号 |
15K11967
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
丹生 晃隆 宮崎大学, 地域資源創成研究センター, 准教授 (00432617)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 公的支援機関 / 中小ベンチャー企業 / 企業支援政策 / 政策評価 / 効果の測定 |
研究実績の概要 |
本研究は、公的支援機関における中小ベンチャー企業支援施策に焦点を当てて、その役割と意義を新しい視点で再構築することを目的とする。中央の政府機関だけでなく、地方においても様々な公的機関が、新事業創出や中小ベンチャー企業育成のための施策を講じているが、必ずしも十分な成果は上げられていない。何故、公的支援を行わなければならないのか、公的支援は企業成長を加速させることができるのか、公的機関でなければできない支援は何か、これらの点については、現在まで十分な議論が行われてこなかった。以上を鑑み、本研究では、公的支援を受けた企業(もしくは、受けている企業)と、公的支援を受けていない企業との比較分析を行うことにより、公的支援機関の役割について、新しい知見を見い出し、効果的な中小ベンチャー企業支援施策の立案と実施に向けた政策的含意を提出することを目的とする。公的支援機関のうち、研究のスコープとして、新規創業を支援するビジネスインキュベーション施設を対象とし、経営者が選択して入居した企業(入居群)と、入居を選択しなかった企業(非入居群)の経営状況から、インキュベーション施設への入居による効果の比較検証を行う。 本研究の計画では、平成28年度に質問票調査を実施する予定である。平成27年度には、質問票調査の実施に向けて、公的支援機関、ならびに、ビジネスインキュベーション施設の評価に関わる文献調査を行い、研究フレームワークの検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度には、平成28年度の質問票調査の実施に向けて、入居群と非入居群のリスト化を行う予定であったが、このリスト化が遅れている。インキュベーション施設の入居企業については、インターネット上にリストが公開されているが、非入居群は、入居をしていない一般企業となるため、リスト化が難しい。当初は、各地域の産業支援機関が設置している、中小ベンチャー企業向けの助成金の採択者リストを採用する予定であったが、助成金の内容や対象は多岐にわたっており、この選定に時間がかかってしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の遂行に向けて、まずは現状で課題となっている、非入居群のリスト化を進めることである。非入居群は、インキュベーション施設に入居していない企業であるが、入居群との比較検討を行うためには、企業の成長ステージがほぼ同じであり、かつ、業種に偏りがないことが求められる。今後の進め方として、各都道府県の産業支援財団が設置している中小ベンチャー企業向けの助成金の再調査を行い、入居群と比較検討が可能な企業群(企業リスト)を見出したい。入居群と非入居群のリスト化と並行して、平成28年度の前半には、調査項目の整理を行い、質問票の詳細設計も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は文献調査を主に行ったため、経費としての使用は無かった。また、当初は、旅費支出を伴う予備調査を行う予定であったが、非入居群のリスト化に時間がかかってしまったため、予備調査を行う段階に達していなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度分の未使用額については、平成28年度に実施する質問票調査の実施経費(調査票印刷費、発送費、返信切手代)に充当する予定である。
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