研究課題/領域番号 |
15K11983
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
林 優一 東北学院大学, 工学部, 准教授 (60551918)
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研究分担者 |
水木 敬明 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 准教授 (90323089)
曽根 秀昭 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 教授 (40134019)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 秘密鍵共有 / 秘匿通信路 / セキュア通信 / SDN |
研究実績の概要 |
本研究では、OpenFlow技術を活用することにより、仮想的秘匿通信路を創出し、その通信路をうまく利用することにより、情報理論的に安全な秘密鍵を生成し、得られた秘密鍵を用いて、安全な情報通信をOpenFlow上のネットワークで実現することを目的とし、今年度は以下の成果を得た。
OpenFlow上に構築された仮想的秘匿通信路により得られる事前鍵共有グラフが一様漏えい鍵共有完全グラフである場合を想定し、本研究課題の分担者らが開発したst-フロープロトコルをそのような鍵共有グラフに適用した場合、その上で適切な鍵選択を行うための基盤として、盗聴者への漏えい確率の最小値を求める漸化式を示し、具体的に漏えい確率を求めることが可能になるなど効果的な鍵選択を行うための検討を行った。 また、このアイデアを拡張し、秘密鍵が盗聴者に漏えいする確率を効率的に求める手法を提案するとともに、グラフのクラスを限定することにより、さらに効率的に計算する考え方を示した。
更に、OpenFlowの仮想的秘匿通信路と鍵共有グラフの関係について基礎的考察を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は共有済み秘密鍵を活用した安全な情報通信プロトコルの開発に向けて、秘密鍵の共有状況に関するグラフ理論的モデル化と定式化、遠隔間での高セキュア通信のためのプロトコルの開発をベースにマルチパーティにおける秘密増幅という問題の解決を目指した。
その中で、盗聴者への漏えい確率の最小値を求める漸化式の抽出に加えて、本研究課題の分担者らが開発したst-フロープロトコルを導入することにより、秘密鍵が盗聴者に漏えい確率を効率的に求める手法の提案も行ったことから、当初の計画通り、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はOpenFlowを用いた仮想的秘匿通信路により得られるグラフが完全グラフや完全二部グラフ以外のグラフとした場合、効率的に計算する手法を検討し、一般的なネットワークトポロジに対し、提案プロトコルを適用を目指す。
また、本年度までは事前鍵の盗聴者への漏えい確率を全て独立で一様の確率としていたが、より現実的なケースを考慮するために、一様でない場合についても検討を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行のために利用した大型計算機について、所属機関からサポートを受け利用できたことから残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
これまで得られた結果、成果を国際会議や学術雑誌に公表する費用に充てる予定である。
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