研究課題
今年度はOpenFlowで構成された仮想的秘匿通信路上に実装する秘密鍵共有プロトコルについて検討を行い、以下の成果を得た。(1) 既存研究では、漏えい鍵共有グラフが与えられたときに、2者間で秘密鍵を共有させる問題だけが検討されていたが、ここではこれを一般化し、多人数で共通の秘密鍵を共有する問題に取り組み、それを実現するいつかの効率的なプロトコルを提案した。(2) 漏えい鍵共有グラフが直並列グラフの場合を扱い、ネットワーク信頼度の問題との関連性を見出し、盗聴者への漏えい確率の最小値を効率的に求める手法を提案した。(3) 漏えい鍵共有グラフがスプリットグラフのときを検討し、盗聴者への漏えい確率の最小値を効率的に求める手法を提案した。(4) また、一様漏えい鍵共有完全グラフ対し既存のst-フロープロトコルを適用したときの盗聴者への漏えい確率について、前年度までの研究において効率的に得る手法を検討してきたが、その成果をとりまとめ、国際会議WALCOMに 2018おいて公表し、SpringerのLecture Notes in Computer Scienceシリーズに収録された。上記に加え、これまでの各年度で行ってきたOpenFlowスイッチ及びOpen vSwitchを用いたセキュリティモデルを確立するための仮想的秘匿通信路に関する検討、及び、鍵共有グラフに研究分担者らがこれまでに開発したプロトコルを適用し、盗聴者に秘密鍵が漏えいする確率を最小値に抑えるための検討により得られた知見を融合させることで、通信経路を動的に変更可能な公衆ネットワークにおいて、情報理論的に安全な秘密鍵の生成を可能とした。
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Algorithms and Computation (WALCOM 2018), Lecture Notes in Computer Science, Springer
巻: 10755 ページ: 20~31
https://doi.org/10.1007/978-3-319-75172-6_3