研究課題/領域番号 |
15K11991
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
井上 美智子 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (30273840)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 太陽光発電システム / 接続トポロジー再構成 / 発電量最適化 / 故障耐性 / 部分影 |
研究実績の概要 |
太陽光発電システムの発電量に関し、運用時に故障や部分影などの内部および環境要因によって発電量が低下する場合に、接続トポロジーを動的に再構成することで、発電量を最適化するためのオンライン接続再構成アルゴリズムについて研究している。平成28年度は、接続トポロジー再構成と最大電力点追従(MPPT)を用いた出力電圧・電流の観測を組み合わせて、各セルまたはセルグループの電圧電流特性を推定することで再構成に必要となる発電量分布を推定する手法について検討を行った。手法を提案するための予備的実験として、再構成と出力電圧・電流の観測を組み合わせることで、任意のセルやセルグループの発電能力(電圧電流特性)の診断が可能であることを、電気回路シミュレータを用いて確認した。 現在、MPPT、接続トポロジー再構成のためのスイッチの挿入箇所と、診断分解能等のトレードオフを考慮した電圧電流特性を推定手法について検討している。検討中の手法では、特定の接続トポロジーに対する発電能力診断を繰り返しながら、故障や部分影などの環境要因により、発電量が低下しているセルの特定を効率よく行うことを目指している。具体的には、発電能力の分布解析の効率化のために、大きなセルグループに対する発電能力診断を行い、発電能力が劣るグループをさらに細分化して診断を繰り返すことを考えており、この手法を可能とするために必要なアーキテクチャの変更について検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MTTP, スイッチを含む太陽光発電システムの効率的なシミュレーション手法の準備に時間がかかり、シミュレーション結果から得られた知見を利用しての電圧電流特性を推定手法の提案までに至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、新規に採用した助教を研究分担者に加え、研究推進を加速させる。平成28年度での提案を予定していたセルおよびセルグループの電圧電流特性推定手法に加え、発電量最適化を行う再構成アルゴリズム及び、そのためのアーキテクチャに関する提案を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
太陽光発電システムにおいて、オンラインで発電量分布を推定する手法の提案を行い、学会発表等を予定していたが、手法の提案が遅れているため旅費等を計画通りに使用できていない。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、新たに助教を研究分担者として加えることで研究を加速させ、平成28年度に提案を予定していた発電量分布推定手法に加え、最終的な目標である発電量最適化のための再構成手法に関しても研究を推進する。
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