研究課題/領域番号 |
15K11996
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
藤澤 由和 宮城大学, 事業構想学群(部), 教授 (70387330)
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研究分担者 |
東野 定律 静岡県立大学, 経営情報学部, 准教授 (60419009)
水野 信也 静岡理工科大学, 情報学部, 准教授 (60714524)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 社会調査法 / ソーシャルネットワーク / サンプリング / RDS / 健康 / 地域 |
研究実績の概要 |
社会ネットワークに関する関心の高まりと伴に、健康分野においてもその実証的な把握が重要な課題となっている現状にある。しかし、現実の社会において社会ネットワークを適切に把握するためには、これまでとは異なるデータ構築のための手法が求められている状況にある。本研究は、こうした状況に対して、Respondent Driving Sampling(以下RDS)といった新たなデータ構築手法に着目し、社会ネットワークデータ構築の可能性を明らかにすることを最終的な到達点とし、具体的な目的として、RDSによる小地域における社会ネットワークデータ構築を実際に行い、その課題を明確化することを目的とした。 本年度においては、前年度までの準備と検討を踏まえ、これまで実施した先行知見を踏まえるとともに、さらに当該研究において加えるべき該当項目を勘案した形で最終的な調査票の項目などの内容とともに、具体的なデータの収集作業に関しての調査プロトコルの最終的な確認を行った。 また当該調査の実施に際しては、調査実施に関わる関係者らが当該調査に用いる手法を理解し、さらにその運用までを熟知する必要があることが判明したため、そのために当該調査手法の周知作業を行い、調査体制の構築を行った。 具体的な調査内容に関しては、収集するデータセットそれぞれにおいて、紹介された者すべてが回答を行った場合、6段階目で累積サンプル数が想定数に達するが、これまでの調査の結果から、1番目の調査対象者から離れるに従い、回答率が下がることを考慮して、7段階目までの準備を行い、サンプル数に達した時点で作業を終了する形態をとり、そのために実施可能な体制を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該調査の実施はかなり複雑なものであるため、事前にかなり入念な関係者らへの実施プロトコルの周知が必要であり、それを欠いた状態での調査の実施は、取得データの信頼性が著しく低いものとならざるを得ないことが判明したため、関係者間において、当該調査手法の理解と準備に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
調査を実施し、データの構築を行う。調査対象地区は、先に再検討を行った地区とし、試行調査等を踏まえた作業手順を用いて調査を実施する。さらに、データ収集作業の信頼性を検証するために同一調査対象地区において、複数回のデータ収集作業を行いデータセットの構築を行う。 構築されたデータは、関係者間で連鎖する、当該地域ネットワーク全体の部分ネットワークデータとみなし得る。そこでネットワーク内部においてどのような関係性が生じているかという点の検証を行うために、関係者間の関係を類別し、その類別ごとに両者間の認知もしくは評価の類似性に違いが生じるかに関する検証を行う。さらに関係性に関する項目の個人得点化を変数とし、個人属性に関する変数を加え、健康関連の各項目変数との関連を重回帰分析により検討する。また手法の検証という観点から各データセットから算出しうるネットワーク統計量およびその母集団推計値に関して専用の解析ソフトを用いて検証を行う。 最終的に本研究で得られた知見を取りまとめ、データ構築手法を含めた成果公表を学術雑誌などへ発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)当初、予定していた調査によるデータ構築作業が実施できなかったため。 (使用計画)本調査を実施しデータを構築するための費用とする。
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