研究課題
原子力発電所の長期停止や火力発電用燃料費の高騰,景気上昇による需要増などにより,電力需給の更なるひっ迫が予想される.特にオフィスビルや商業施設におけるエネルギー消費の約70%を占める照明や空調の省エネ化は喫緊の課題である.しかし,東京都がオフィスビル等に対して実施したアンケートにおいて「節電のために投資する場合もその投資額を抑制し,比較的短期に回収できることが必要」といった回答がみられるように,厳しい経済環境で省エネルギーにかけるインフラ投資額にも費用対効果が求められていることもうかがえる.これに対し,本研究では,オフィスの照明や空調の省エネルギー化を,高価なビルエネルギー管理システム(BEMS)に頼ることなく,モバイル機器で低コストに実現する技術の創出に挑戦している.温湿度と行動センシングにより個人の快適度の常時把握を実現する.これにより,快適度・行動・環境・電力データを間欠的かつ低コストでクラウドサーバに集約するシステムを開発している.また,網羅的なシミュレーションデータを併用することで,それらの低コストセンシングデータから,快適性を損なわない空調制御を予測する手法についても実施している.様々な空調設定温度や風量,人の存在における温度変化シミュレーションをCFDソフトウェアを用いてあらかじめ実施し,その結果をデータセットとして蓄積し,実際の温度観測からその後の温度変化をそのデータを用いて予測する.これらを用いることで,最適な空調設定を管理者に示唆するシステムの実現を目指している.商業施設と連携して複数の温度センサーと人検知システムを設置し,実証実験を実施している.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
Proceedings of International Workshop on SmartBuildings 2016
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Proceedings of the International Workshop On Mobile Ubiquitous Systems, Infrastructures, Communications, And AppLications
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電子情報通信学会技術研究報告
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