現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,各項目について次のように研究を推進した.(A1) K本の成長し続けるイベントストリームに対して,その部分系列の出現と計数を管理する系列索引の線形時間構築アルゴリズムを開発した(Takagi et al., CPM 2016).さらに,接尾辞木自体の検索を高速化するために,ビット並列技法を用いた亜線形時間(sublinear-time)の高速検索法を開発した (Takagi et al., IWOCA 2016).(A2)有村は,大規模半構造データ解析エンジンの基盤技術として,楽天研究所の金田との共同研究により,前年に開発したビット並列手法を用いた双方向並列カウンタデータ構造をストリームからの近似頻出値発見問題に適用した.また,JordanとZeugmannは,確率的近似検査法の性能の理論的限界についての成果を学術誌に出版した (Jordan etal. BJMC 2016).(A3) 論理を用いた知識発見アプローチに基づく研究を行い,背景理論を用いた命題論理のソルバーであるSMT (Satisfiable Modulo Theories)を用いた機械学習手法を提案した(CoRR, 2016).さらに,これらの知識に関する論理推論の基盤技術として,限量化子を許した論理ソルバーであるQBFソルバーに関する一連の研究を行った (Jordan et al., JSBMC 2016, AAAI Workshop 2016).(A4) 理論的基盤の研究として,Zeugmannは,超測度学習など測度空間における学習や検索の学術的基盤として,数理解析と計算解析に関する教科書をSpringer社から出版した (Romisch and Zeugmann, 2016).(B1) プロトタイプシステム構築として,各項目で開発したアルゴリズムの理論性能解析と予備実装を行った.
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