研究実績の概要 |
知識創造サイクルモデルの構築及び検証については、これまで構築して来たディア関連系システムをベースに、知識創造サイクルモデルの構築を行なった。本研究では知識創造と知識利活用を互いに逆の演算とみなし、それら両方を備えることによって、知識の正当性の確認を可能とする。 しかしながら、必ずしも知識創造演算が、適切に(すなわち逆演算が一意に定義できるという意味において)設定されるとは限らないため、制約条件、補助条件、確率的な演算を援用し、逆作用素を決定する必要がある場合も多い。これらについて、すでに3件の独創性のあるモデルを提案することに成功した。 上記に述べた2つの手法に加え、画像認識の評価関数を最適化するように、Bag of Keypointsの手法を用いることで、従来手法を自在に組み合わせ、自動的に分類手法を構成するような試みを行っている。これは、データ群の特色に応じた分類手法を動的に構成するものであり、従来の手法ありきの方法論とは全く異なるものである。 具体的に知識創造に対応する作用その構成を、実例として、音楽解釈モデルの逆作用素の構成を行うことに成功した。(「メディアコンテンツを対象とした統計的一般化逆作用素構成方式とその楽曲メディアコンテンツ生成への適用」情報処理学会論文誌、2016)また、オウンドメディアのユーザの滞留の状況から、どのようなコンテンツがより長くユーザを滞留させることに有効であるかを分析する手法の構成も行なった。("Evaluation Indexes of Customer Journey for Contents of Owned Media", Information Modeling and Knowledge Bases - EJC 2016) これらの手法群は、データオリエンティドサイエンスの萌芽となるものと考えられる。
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