研究課題/領域番号 |
15K12028
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
片山 薫 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (00336520)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アセンブリモデル / 3次元CAD / 検索 / 配置 / 投影 |
研究実績の概要 |
本研究では三次元CAD用いて作成されたアセンブリモデル(複数の部品から構成されたモデル)を対象として、アセンブリモデルを構成する各部品の形状だけでなく、それらの配置も考慮した検索技術の開発を目指している。平成28年度の実績は以下の通りである。 1.部分アセンブリモデル検索方法の開発と実験的評価:アセンブリモデルの投影をラドン変換して得られるサイノグラムをその特徴量とし、それらをビューベースの方法で比較することにより、問い合わせモデルをその部分モデルとして含むモデルを検索するシステムを開発した。我々の作成した評価用モデルを利用した評価実験では、この方法によってある程度の検索精度を得られることが分かった。 2.より大規模なアセンブリモデル検索方法の開発:現在開発中のアセンブリモデル検索システムでは三次元CADのデータを三次元配列に変換して処理を行うため、モデルのサイズが大きくなると多くのメモリが必要となる。必要なメモリ量を削減し、より大規模なモデルを検索できるようにするため、三次元配列を分割して処理する方法を開発し、実験的な評価を行った。処理速度は低くなるが、従来と同程度の検索精度が得られることが分かった。 3.評価実験用アセンブリモデルの追加作成:三次元CADアセンブリモデルを対象とした検索方法を評価するために利用できるベンチマークデータが我々の知る限り存在しないため、開発中の検索システムの性能をより公正に評価できるよう、我々の開発した三次元CADモデル編集システムを利用して評価実験用のアセンブリモデルを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度以降は四つの課題「投影データを利用したアセンブリ構造の違いを反映する三次元CADモデルの特徴量の開発」(課題1)、「アセンブリ構造を持つ三次元CADモデルのための部分モデル検索方法の開発」(課題2)、「テンソルデータ処理を用いた三次元CADモデル検索方法の改良」(課題3)、「三次元CADモデルデータベースに対するアセンブリ構造を考慮した効率的な問合せ処理方法の開発」(課題4)に取り組む計画であった。 昨年度までに開発したアセンブリモデル検索システムの改良を進める中で、課題1と課題4に取り組んだ。課題2についても研究実績の概要に記載したように研究を進めている。課題3については基礎的な検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度はこれまでの研究成果を引き継ぎ、平成28年度以降の研究計画・方法に記載した課題に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
システム開発用機材(PCなど)やソフトウエアが陳腐化しないよう、研究の進捗に合わせて購入を進めているため。 また、予定より出張が少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究の進捗に合わせたシステム開発用機材(PCなど)やソフトウエアの購入と、研究発表のための出張旅費等に使用する予定である。
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