三次元CADを使って作成された複数の部品から構成されるアセンブリモデルを対象とし、モデル全体や各部品の形状・数だけでなく、各部品の幾何学的な配置の違いを識別できる検索方法について研究開発を行った。 (1)部分アセンブリモデル検索方法の改良:我々はアセンブリモデルの投影をラドン変換して得られるサイノグラムを用いて、多くの多様なアセンブリモデルの中から特定の部品構成を持つモデルを見つけ出す技術を開発した。アセンブリモデルを構成するサブアセンブリごとに、その幾何学的配置を考慮してサイノグラムを比較することにより、より精度の高い検索を可能とした。また、効率的なサイノグラムの比較方法についても検討を行った。 (2)大規模アセンブリモデル検索手法の効率化:本研究ではポリゴンメッシュで表現されたアセンブリモデルを、そのアセンブリ構造を反映した三次元配列に変換していたが、ポリゴンメッシュを直接処理することにより必要なメモリ量と処理時間を削減した。また、アセンブリモデルを構成するサブアセンブリごとの特徴量を組み合わせてモデル全体の特徴量を計算することにより、検索精度を改善した。 (3)深層学習を利用したアセンブリ検索方法の開発:アセンブリモデル全体や各部品の形状・数、各部品の幾何学的配置の違いを識別するための畳み込みニューラルネットワークの構成方法とその学習方法を開発し、用意したベンチマークを用いてその性能を検証した。
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