研究課題
本研究の目的は、我々がこれまでに「京コンピュータ」等のスーパーコンピュータ上で開発、最適化してきた一連の大規模並列コードをベースに、シミュレーションからポスト処理をシームレスに実行できる、「ポスト京」へ向けた新しいシミュレーションのフレームワークを構築することである。2016年度は6次元位相空間情報を利用した発展的な構造検出アルゴリズムを、これまでに得られた大規模ダークマターシミュレーションに適用した。そしてサブハロー込みのハロー合体形成史を作成し、世界中の研究者が利用できるようにインターネット上に公開した。また3次元空間情報を利用した構造検出コードをシミュレーションコードに結合し、シミュレーションから構造検出をシームレスに実行できるようにすることで中間ファイルを削除し、必要なストレージ量を大幅に削減することに成功した。そしてこれまでに得られたハローカタログへの準解析的銀河、活動銀河核形成モデルを適用を進めた。種ブラックホールの質量制限に関する論文が MonthlyNotices of the Royal Astronomical Society 誌にて出版された。
2: おおむね順調に進展している
公開データを増やし、さらに構造検出コードとシミュレーションコードの融合が進んだため。
ハローカタログ、合体形成史のビッグデータをデータベース化し、 WEB アプリケーション経由でダウンロードできるようにする。カタログにはハローの位置情報や質量、サイズ、内部構造などの多くの物理量を含める。ネットワークにかかる負荷を減らすために、研究者の目的に応じてダウンロードする物理量を制限できるようにする。 SQL などのデータベースソフトを駆使し、適切なWEB インターフェースを構築する。
ファイルサーバを増強する予定であったが、2016年度は増強せずに足りたため、低価格化が見込まれる2017年度に見送った。
コストパフォーマンスの高いファイルサーバーを導入する。また最終年度なので、集大成として成果を国際会議や国内研究会で発表するための旅費とする。
すべて 2016 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
巻: 461 ページ: 4389-4394
10.1093/mnras/stw1798
http://hpc.imit.chiba-u.jp/~nngc/