動的生体認証の精度を向上させるためには、生体情報そのものの変動を吸収できることが望ましい。本研究では、差動増幅回路の仕組みを生体認証に応用することでこの要求の実現を試みる。すなわち、ある1つの動的生体情報に対し、生体情報のセンシングを2点(2箇所あるいは2状態)で行い、2点間の生体情報の差(または比)を求めることによって、生体情報に含まれる生体情報自体の変動を吸収する。その第一歩として、同時刻における2箇所の血流量の比を用いた認証方式の実装、評価を行った。具体的には、血流量単体を用いるのではなく、人差し指と中指の2点間での血流量を測定しそれらの比を用いて個人識別を試みた。
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