研究実績の概要 |
平成28年度は昨年度までに得た基礎検討結果をもとに、攻撃対象の拡張を試みた。具体的にはスマートフォンに加え、ウェアラブルデバイスとしてスマートグラスに着目し、スマートグラスに内蔵されている加速度センサー情報を用いて、デバイス所有者の行動推定、ならびに推定した行動に基づく位置情報の推定を行った。スマートグラスとして JINS MEMEを採用し、比較対象のスマートフォンとして Zenfone2 Laser を利用した実験を行った結果、両者の加速度センサーの分解能や帯域幅に大きな差は認められないものの、スマートグラスの方がより高い精度で行動推定が可能であることがわかった。これらの結果はスマートグラスの方がより人体に密着している分、行動推定がしやすい、ひいては攻撃が成立しやすいことを示唆するものである。またセンサーを内蔵した人型ロボット(ヒューマノイド)に関しても同様の攻撃が成立するかについて、基礎検討を進めた。得られた成果については現在学会発表の準備を進めている。 またスマートフォンに関して昨年度まで得られた一連の成果をまとめ、以下の通り英文論文誌への採録が決定した(書誌情報は現時点で未定)。 T. Watanabe, M. Akiyama, and T. Mori, “Tracking the Human Mobility Using Mobile Device Sensors,” IEICE Transactions on Information and Systems, Vol. Exxx-D, No. xx, pp. xxx-xxx, Aug. 2017
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