本研究では,古今東西の絵画の画像特徴量を分析し,様式や画風が画像の構造によりどのように決定づけられるかを分析するとともに,絵画を含む様々な画像の美醜判断を内容に関係なく決定づけている画像の構造とその処理機構を実験的に解明することをめざした.前者について類似の研究が現れたため後者の問題に焦点を絞り,様々なテクスチャ状の画像に対する人間の嗜好と嫌悪の反応と画像統計量の関係を,一連の心理物理学実験と脳波計測により検討した.その結果,少数の画像特徴量に基づき嗜好と嫌悪の反応を引き起こす素早い情報処理経路が存在することが明らかになった.
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