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2017 年度 実績報告書

他者視点取得養成ギブスの構築とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K12050
研究機関自治医科大学

研究代表者

平井 真洋  自治医科大学, 医学部, 准教授 (60422375)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード他者視点取得 / 定型発達 / 非定型発達 / 自閉スペクトラム症
研究実績の概要

同じ景色を見ていても,他人の見ている景色は自分の見え方とは異なる.これを理解する能力は「他者視点取得」能力と呼ばれ,社会的コミュニケーションにおいて極めて重要な能力の一つであることが指摘されている.これまで,社会的コミュニケーションに困難を抱えるとされる自閉スペクトラム(ASD)症児は,他者視点取得が不得手であるとされ,特に自己視点に偏る傾向があることが指摘されている.申請者らはこれまで,定型発達児を対象とした研究により,他者視点取得には自己身体を操作する能力が関係することを示してきた.しかしながらいずれも言語による課題教示によるものが殆どであり,ASD児における他者視点取得における自動的な計算メカニズムについては不明であった.本研究では,他者視点情報を明示的に与えることにより,潜在的な認知過程にどのような影響があるかを検討した.本研究では,最終的に定型発達児43名,ASD児24名を対象とし,視点運動計画が視点変換操作によりどのように運動計画に影響するか検討した.実験では,被験者の手先位置をフィードバックするシステムを用い,ベースラインとしてモニター上に提示された絵に向かってリーチングする課題を実施した.その後,他者視点の映像を提示し,その際のリーチングが視点変換によりどのような影響を受けるかについて検討した.結果,定型発達児では,低年齢児ほど,第三者的な視点に引きずられやすくなり,年齢が上がるにつれて第三者的な視点にひきずられにくくなることが明らかとなった.一方,ASD児では年齢によらず第三者的な視点に引きずられにくく,身体座標系に偏りがみられることが明らかとなった.これらの知見を踏まえ,初年度に構築したシステムの有効性について,今後検討の予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Probing links between action perception and action production in Parkinson's disease using Fitts' law2018

    • 著者名/発表者名
      Sakurada T, Knoblich G, Sebanz N, Muramatsu SI, Hirai M
    • 雑誌名

      Neuropsychologia

      巻: 111 ページ: 201-208

    • DOI

      doi:10.1016/j.neuropsychologia.2018.02.001

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 身体に根ざした社会的認知の生涯発達:身体の「内側」と「外側」の視点から2017

    • 著者名/発表者名
      平井真洋
    • 雑誌名

      基礎心理学研究

      巻: 36 ページ: 155-162

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of Face Expertise in Autism and the Own-Race Advantage2017

    • 著者名/発表者名
      Hanley M, Hirai M, Ikeda N, Monden Y, Shimoizumi H, Yamagata T, Riby D
    • 学会等名
      International Meeting for Autism Research (IMFAR) 2017
  • [図書] 社会的認知の発達科学 ――発達科学ハンドブック92018

    • 著者名/発表者名
      日本発達心理学会 編/尾崎康子・森口佑介 責任編集
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      新曜社

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公開日: 2018-12-17  

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