研究課題/領域番号 |
15K12064
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
戸田 智基 名古屋大学, 情報基盤センター, 教授 (90403328)
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研究分担者 |
中村 哲 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (30263429)
サクリアニ サクティ 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (00395005)
Neubig Graham 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (70633428)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サイレント音声 / 音声合成 / 音声変換 / 信号処理 / 統計処理 |
研究実績の概要 |
周囲に聴取困難なほど微弱なささやき声によるサイレント音声コミュニケーションの実環境下への適用を目指し,外部雑音に対して頑健に動作するサイレント音声通話技術の研究開発に取り組んだ。 外部雑音モニタリング効果の調査(実施計画1):空気伝導マイクロフォンを体内伝導マイクロフォン付近に装着した状態で,外部雑音および非可聴つぶやき発声の収録を行い,外部雑音モニタリングが有効に機能する条件について調査を行った。その結果,60 dBA以上の騒音下において,外部雑音モニタリングが有効に機能することを示した。 外部雑音モニタリングを用いた雑音抑圧技術の構築(実施計画2):独立成分分析に基づくセミブラインド音源分離を応用し,空気伝導マイクロフォンによりモニタリングされた外部雑音を用いて,体内伝導マイクロフォンで収録された信号に対し,雑音抑圧を行う手法を提案した。実験的評価結果から,提案法は従来のエコーキャンセら問題に代表されるダブルトーク問題の影響を受けずに,高精度な雑音抑圧が可能であることを示した。さらに,発話様式変化が生じても,頑健に動作することを示した。 外部雑音に頑健な強調目標音声の調査(実施計画3):強調目標音声として,ささやき声,通常音声,ロンバード音声への変換処理を実施し,聴取側の外部雑音の有無により,適切な強調目標音声が変わることを実験的に明らかにした。 強調処理の性能向上(実施計画には含まれない研究):統計的音声変換に基づく強調処理の性能改善に向けて,空気伝導マイクロフォンと体内伝導マイクロフォンによる収録信号を併用したステレオチャネル音声変換法を提案した。これにより,静音環境下および雑音環境下のどちらにおいても,変換性能の上限値を大幅に改善できることを示した。 これらの研究成果について,国内外にて研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
実施計画に含まれない研究にも着手し,研究成果を挙げることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に基づき実施するが,引き続き、当初予定していた以上の成果を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品の価格の変動により,少額が残ったため,次年度に持ち越した。
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品の購入に使用する。
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