研究課題/領域番号 |
15K12065
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
栗田 雄一 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80403591)
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研究分担者 |
北 雄介 京都大学, デザイン学ユニット, 特定講師 (40723482)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヒューマンインタラクション / 触覚・力覚 / センシングデバイス / バーチャルリアリティ / 都市様相 |
研究実績の概要 |
本年度は,これまでに開発した地面インタラクション計測装置をもちいて,地面ごとで発生する歩行時の感性と足から発生する物理情報の関係から定義した地面インタラクション情報について,計測ならびに解析を行った.地面インタラクション情報として,感性情報は歩行中の地面に対する官能評価アンケートにより,また振動情報をシューズに6軸センサを踵部分に取り付けて計測した.広島ならびに京都で計測実験を実施し,広島での実験結果と京都での実験結果を1 つのデータセットとしてまとめ,感性情報の結果を振動情報の結果を用いて重回帰分析により解析した. アンケート結果の主成分分析から,歩行時の地面に対する感性には地面の硬さ感と地面の安定感が抽出された.そこでこれら項目に対する振動情報を用いた重回帰分析を行い,地面の硬さ感と地面の安定感はどちらも決定係数は0.5 以上が得られ,また振動情報から感性情報を予測できる可能性が示唆された.また相関係数についても0.7~0.8 程度と高い数値が得られた. 最後に,ヒートマップ手法により街歩き感の可視化を行った.京都では河川敷から市街地に近づくほど硬さ感と安定感が高くなり,特に歩道部分が顕著であることが分かった.これは歩道はアスファルトやタイルといった人工的な地面が多いため,人工的な地面は硬さや安定感を有しており,人が歩く上で優れている可能性も示唆している.また中心部でも柔らかい或いは不安定に感じる地面が存在するが,この地面は寺院の敷地にある砂利道や形が異なる石畳である.そのためアスファルトやタイル,整備された石畳と違い,柔らかさや不安定さが生じた可能性が示唆される.街中に寺院があり触感が変化するのは京都の街がもつ触感の特徴と言える.このように地面感の可視化は街の雰囲気を地面インタラクションという観点から特徴化できた.
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