研究課題/領域番号 |
15K12066
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島田 敬士 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (80452811)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 画像処理 / 物体検出 / 選択的注視 |
研究実績の概要 |
本研究では,「選択的注視カメラ」と名付ける新しい映像サーベイランスの原理を実現するためのカメラを開発する.申請者は過去の研究において,ライトフィールドカメラを利用した選択的注視センシングという新しい映像サーベイランスの原理を確立しており,本研究はこれまでの成果の実利用化を目指し,次の点について研究を行う. ・選択的注視カメラ試作 選択的注視センシングの原理を様々なセンシング環境で利用できるようにするために,安価で設定が容易なカメラシステムを試作する.平成28年度は,前年度に試作したカメラシステムを利用して,興味領域抽出の性能実証を行った.画素レベルでの評価で9割以上の高い適合率が得られることが確認できた. ・ライトフィールドアラインメント 選択的注視カメラで計測する複数の光線特徴をソフトウェア的に時間同期させる方法を確立し,これまでに作成した選択的注視カメラの試作機上に実装する.平成28年度は,各カメラで得られる光線特徴を短期間プールして,カメラ間で時空間光線特徴の整合性を評価する方法を検討した.プールする期間(時間窓)が長くなると映像サーベイランスの結果を出力するタイミングに遅延が生じるため,できるだけ短い時間幅で時空間光線特徴の整合性が評価できる時間窓の設計を行い,試作カメラに実装した. 上記の研究成果については,国際会議等で発表を行った.さらに最新の成果については国際会議に投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
選択的注視カメラは試作が完了しており,当初計画していた光線特徴処理についても期待通りの結果が得られている.
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今後の研究の推進方策 |
選択的注視カメラの実用性能をシーン別に検証することが今後の課題である.また,評価データについてはオープン化を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に取り組んだ選択的注視カメラの実証実験において,その有効性をさらに検証するためのデータセットを収集した.そのデータセットを利用した追加実験を実施することでシステムの有効性をより客観的に示すことができるため,実験に係る費用と成果発表にかかる費用を事件度に繰り越すことにした.
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次年度使用額の使用計画 |
実験を行うにあたっての補助者への協力者金と成果発表を行うための旅費として使用する.
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