本研究の目的は、低侵襲かつ非接触で聴覚を回復・補助する、近赤外レーザー補聴器を開発することである。研究成果により、聴覚末梢(蝸牛)を生体外よりレーザーにより熱的に刺激することで聴覚抹消の神経活動を誘発可能であることや、中枢(下丘)に由来する神経活動の記録に成功した。さらにレーザー刺激と音刺激を同時に再生した場合には、ともに閾値に満たない強度であっても、上述の反応を誘発できることがわかった。またヒトを対処とした実験により、レーザー刺激をシミュレートした刺激を作成し、音声をコーディングする方法を検討・開発した。その結果、レーザーにより言語知覚を再建できる可能性が示された。
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