本研究は「ヒトに触覚だけで文字および文書を読むことを可能にする」ことを、文字を書く際の手指の動作を外力によって提示するという、「文字を書くことで読む」アプローチによって達成することを目指したものである。結果として、据え置き型の装置を使い、90%以上の正解率で毎秒1字のペースでアルファベットの小文字を読むことを事前の長期訓練なしに達成できることを示した。また、実際の場面における応用を意図し、片手で把持して使用するハンドヘルド型の装置を試作し、これで問題なく文字を読めることを確認した従来の点字等の長期訓練を前提としたものとは異なり、本手法はその直感性において優位性があることが確認された。
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