マクスウェル視では、水晶体で集光する光を用いて画像提示することで、水晶体の屈折状態によらずに網膜像を形成できるため、弱視者へ画像提示する有効な手段である。本研究では、計算機ホログラムを用いてマクスウェル視ディスプレイを実現した。ホログラムによる波面変調を用いて、機械的な可動部なしに、眼球運動に追従して集光点を電子的に移動することを可能にした。また、水晶体の複雑な歪みに起因する乱視、特に、眼鏡やコンタクトレンズでは補正できない不正乱視に対する画像提示を可能にした。さらに、光学系の小型化方法を提案し、実際に表示システムを試作することで、将来的にHMDとして実現できる可能性を示した。
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