研究課題/領域番号 |
15K12083
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
黒田 嘉宏 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (30402837)
|
研究分担者 |
清川 清 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (60358869)
竹村 治雄 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (60263430)
吉元 俊輔 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00646755)
大城 理 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90252832)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 力触覚 / 人工現実感 / バーチャルリアリティ / ハプティクス / 道具操作 / 疑似提示 |
研究実績の概要 |
近年、現実に忠実な力の提示を行うのではなく、力の提示箇所を限定する、あるいは異なる刺激に置き換えることにより、より軽量で拘束の少ないデバイスを用いて疑似的に力覚を実現する研究が盛んに行なわれている。本課題では、日常における箸やピンセットによる道具操作において、ユーザが空間に拘束されない利便性の高い環境を実現することを目標として、疑似力覚提示法の確立を目指した。そこで、これまで実現されていなかった道具先端への外力に伴う感覚を非接地・非装着で実現するための回転機構の設計と機構を応用した箸型デバイスの開発を行った。道具先端にかかる外力が小さい場合、手首や腕に生じる運動感覚は小さくなる。一方、道具の回転中心から離れているため大きなトルクが発生する。その結果、道具を把持する指先は回転中心から近いため、大きな圧力が生じ、強い皮膚感覚が発生する。本研究では、この運動感覚と皮膚感覚のギャップに着目し、強い皮膚感覚を発生させる回転機構を実現した。本成果は、当該分野において権威のある国際会議IEEE WorldHaptics 2015に採択された。提案手法によるバーチャルの重さは、現実の重さに比べて弁別閾が少し下がる傾向がみられたが、従来の研究と同程度の違いであることが分かった。さらに、実物とバーチャルの重さの対応関係を明らかにした。本研究の成果は、当該分野において権威のある学術雑誌IEEE Transactions on Hapticsに採録が決定した。また、SIGGRAPH ASIA2015におけるWorkshop on Haptic Media and Contents Designにも採択され、技術展示の様子は技術系メディアに取り上げられるなど関心を集めた。その他、温度感覚提示の手法開発を行い、提示時に外部の環境音の影響を調査した結果、影響は限定的であることが確認された。
|