研究課題/領域番号 |
15K12087
|
研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
小栗 宏次 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (00224676)
|
研究分担者 |
入部 百合絵 愛知県立大学, 情報科学部, 講師 (40397500)
河中 治樹 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (90423847)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 指差し喚呼 / NIRS / インタフェース / 危険予知 / ドライブシミュレータ / 復唱 |
研究実績の概要 |
指差し喚呼により、自動車を運転する被験者の脳血流にどのような変化が起こるか、また、運転行動にどのような変化があらわれるかについて、ドライブシミュレータを用いた実験により解析を行った。ここでは、ドライブシミュレータを用い市街地走行を模擬したコースを走行中に、危険箇所にて指差し喚呼を実施し、その時の脳血流を計測し、脳血流光イメージング解析を行うことで脳内の血流変化について検証した。さらに、実際に日常的に指差喚呼を実施している被験者と、そうでない被験者との比較実験を行った。これらの実験の結果、指差し喚呼を実施することで、前頭前野の血流に増加が見られる事、また個人差が見られる事が示された。 さらに車両に同乗者があり、この同乗者と指差し喚呼を復唱することによる効果検証も行った。この場合、単独で実施する場合に比べ、復唱する事により、気付かない点を補う事ができ、危険予知により効果があることが示されたが、一方で日頃復唱をしていない被験者が復唱を行うと、復唱に気を取られる事で、ペダル操作やステアリング操作など、通常に比べて遅延が発生する可能性があることもわかった。一方で、日ごろから復唱による指差し喚呼を実施している場合は、遅延はほとんど無く、危険予知を効果的に実施できることが示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は指差し喚呼による脳機能解析について、指差し喚呼時の脳血流解析及びドライブシミュレータを用いた自動車運転時における指差し喚呼の効果測定を実施する予定だった。これら研究の進捗については予定していた実験を完了することができ、概ね順調に進展することができている。一方予算の執行については、初年度購入を予定していた計算機システムについて、都合により2年目での購入とすることとした。また、予定していた国際会議への参加は、初年度は実験データ収集に集中することで、2年目に積極的に国際会議での調査発表を実施することとした。
|
今後の研究の推進方策 |
2年目は予定通り、指差し喚呼の応用について研究を進める予定である。特に指差し喚呼によるドライバの覚醒効果と危険予知インタフェースの構築に向けて研究を進める。 また、国内外の学会等で研究成果の発表や調査を積極的に実施する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究を遂行するにあたり、初年度解析用に計算機システム一式を購入する予定であったが、初年度はデータ計測中心に実施し、既存の計算機により対応が可能であったため計算機購入を次年度に延期することにしたため。 また、都合により、予定していた国際会議に出席できなくなったため海外出張旅費の支出をしなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
初年度購入予定であったデータ解析用の計算機システム一式を購入する予定である。 また、2年目に予定していた国際会議への参加に加え、関連する国際会議への出席を増やし、より積極的に調査、発表を実施する予定である。
|