論文などの文書作成の過程において,いったん生成されたにもかかわらず,最終的な文書中では使われることなく棄却されてしまう文章塊が生じる.このような文章塊は,必ずしも無意味ではなく,別の文脈において活用できる可能性がある.しかし従来,棄却文章塊を活用する試みはなされていない.本研究では,棄却文章塊を収集・分析することにより,その価値と別文脈での活用可能性を明らかにする.新たに構築した棄却文章塊収集機能を持つ文書作成システムTextComposTerを用いた実験の結果,特に50文字以上のまとまった文章塊が,他の文章作成において有用であることが示された.
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