研究課題/領域番号 |
15K12104
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
小林 一郎 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (60281440)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 潜在空間 / ガウス過程 / 時系列データ / 動作認識 / 経験学習 / ヒューマノイドロボット |
研究実績の概要 |
人の動作をロボットに理解をさせるために、まずは人の動作を真似た動作ができることを目指して研究を進めた.MicroSoft社製Kinectカメラを用いて人の関節情報の時系列データを取得し、人の動作を表すデータを作成した.複数の関節によって表される人の動作データは、関節の数にそれぞれx、y、zの3軸を次元数とする高次元データとなり、そのままでは動作認識をするのは困難になってしまう.そのため、人の滑らかな動作の情報をガウス過程と捉え、その特性を保持したまま次元圧縮を可能にするGaussian Process Latent Variable Model(GPLVM)を用いて、潜在空間上にガウス過程によって表現される低次元の時系列データとして表現することを試みた.しかし、通常のGPLVMのアルゴリズムでは、ガウス過程のカーネル関数のパラメータの学習が収束判定の問題において上手く行かないという問題点があることがわかった.このため、カーネル関数のパラメータの学習に多層パーセプトロンを導入し、最小二乗誤差が閾値以下になるまで繰り返し学習をするメカニズムを導入することにより、高次元の人の動作データを低次元で滑らかな動作の軌跡を保ったまま次元圧縮することに成功した.また、ロボットの動作として、川田工業社製ヒューマノイドロボットHIROを対象として動作の作成を行った.動作を生成するための実験環境として、Robot Operating System(ROS)上において、RVizというロボットの動作をプランニングし可視化できるツールを用いて、ロボットの関節に対する座標を取得し、その取得した座標を用いてロボット動作シミュレータMoVeIt!を用いて、動作生成を行った.人の動作認識およびロボットの動作生成についての枠組みの構築が完了したことから、実際にそれらを結びつける手法の構築を次年度に進める.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度における研究計画は、ロボットに人の動作を真似させる課題に取り組んだ.その際、高次元の人の動作をいかに低次元の情報に圧縮するかが課題であったが、既存手法の問題点を克服した汎用性のある手法を構築することができた.これにより、今後、高次元のデータ圧縮を精度良く行えることが期待できる. この成果は、情報処理学会全国大会にて報告をし、人工知能学会全国大会にもさらに発展させた手法を発表する準備を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に進めた人の動作を真似させるための手法を、今度は人とロボットが共通の潜在空間を共有することにより実現されるように手法を改良する.また、視覚と言語の情報を融合させたロボットと人のインタラクションを実現し、経験を共有しながら学習が行える手法の開発を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
投稿を予定した国際会議において、国際情勢の不安定などを勘案し投稿できなくなったため、出張旅費が当初予定した額には至らなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は今年度の研究成果を国内外の会議で報告するとともに、機械学習用の計算装置を充実させるなどに使う予定である。
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