研究課題
本年度の研究実績は以下のとおりである.(1)人工筋紡錘の実ロボットへの実装試作した人工筋紡錘センサを,筋骨格構造を持つ上肢ロボットに実装し,運動中のセンサ信号を観測できることを確認した.昨年度の研究実績では,磁気式センサを使用する人工筋紡錘センサを採用していたが,実験運用に伴い,不都合が生じたため,ひずみセンサのみを使用した人工筋紡錘を作成することとした.使用するセンサ素子の変更に伴い,周辺計算用の小型ボードを作成し,人工筋紡錘周辺で,実際の筋紡錘の信号をエミュレートするために処理が完結するようなハードウェアを構成した.また,これらのセンサは,ROSによってネットワーク上で情報を共有することができ,上肢ロボットのような大規模なシステムの運用のためのハードウェアを整備した.このように試作された上肢ロボットによって,クランク回しタスクを遂行している間の,センサ信号を収集した.(2)人工筋紡錘センサを用いた二足跳躍安定化の実験筋骨格構造を持つ二足ロボットのヒラメ筋に,人工筋紡錘センサを実装し,それらから得られるセンサ信号に基づいて,伸張反射を実装した.また,片方の脚の反射が起こった時に,反対側の脚の反射を起こらなくする反射の側方抑制を実装した.これらの周辺処理によって,前額面内の二足跳躍が,処理がない場合に比較して,安定化する傾向があることを実験により示した.この結果は,人間の跳躍においても,伸張反射やその側方抑制が,身体全体の安定化に寄与している可能性があることを,構成論的に示している.
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IEEE/ASME Transactions on Mechatronics
巻: Volume 22, Issue 1 ページ: 487-497
http://dx.doi.org/10.1109/TMECH.2016.2614961
Neurocomputing
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