研究課題/領域番号 |
15K12127
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
坂本 真樹 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (80302826)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 感性情報学 / 感性表現学 / オノマトペ / パーソナリティ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、従来研究では外向性,協調性,勤勉性,情緒安定性,知性の5因子で分類されてきたパーソナリティについて、微細に感性を分類できる可能性のあるオノマトペ(擬音語・擬態語の総称)を用いることで,「さらさらした人」「ふわふわした人」のように,一言で微細で多面的なパーソナリティを把握し,他者との多様なつながりを可視化する手法の提案を行うことである。この目的に対して、平成27年度は、任意のオノマトペで表される印象を、視触覚を中心とした感性評価尺度ごとに数値化するシステムを、パーソナリティに関する尺度ごとに数値化できるように応用した。パーソナリティに関する従来研究を参考に、パーソナリティに関する50種類の形容詞対尺度を選定した。それらの形容詞尺度ごとに、音韻を網羅するように収集したパーソナリティを表す代表オノマトペ126語から想起される印象を回答してもらう被験者実験を行った。この被験者実験で得られたデータを数量化理論I類で分析することで、音韻要素ごとの定量データを得た。これをデータベースとし、Java言語を用いたシステムの実装を行った。システムの構築後、システムの妥当性評価を行った結果、全てのパーソナリティ評価尺度において妥当性が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
応募申請時に記載していた平成27年度の計画は、オノマトペによるパーソナリティ評価システムを構築し、任意のオノマトペで表されるパーソナリティを多次元的に数値化し、類似のパーソナリティ因子間の違いも把握できるようにすることであったが、順調に達成され、精度評価まで行うことができたことから、当初の計画以上に進展している、と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
応募申請時に記載していた平成28年度以降の計画は、自己のパーソナリティと複数人の関係性の可視化を行うとともに、パーソナリティの新しい語彙を発明し、豊かな個性の表現、他者との多様なつながりを可視化手法と統合することにより発見可能にすること、さらに、個人内での動的な心的状態の把握も可能にし、他者との相互作用の中で動的に変化する自己の多面的なパーソナリティの理解を可能にし、バーチャル環境で新しいSNSの可能性を探ることである。平成28年度は、平成27年度に構築したシステムをSNS上で活用する可能性について検討する。
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