本研究課題では,武術的身体操作の原理の解明を目的として,単体での動作と二者が接する状況での動作について身体動作を計測・解析し,その機能的,制御上の意味を検討した. 単体動作については,立ち方(静止立位)と歩行を対象として動作を解析し,武術的立位法では,重心が前方に移動すること,動きの方向によらず素早く歩き出せること,歩き出し時の上下動が少ないこと(観察者に動きの手がかりを与えにくいこと)を明らかにした. 二者動作については,相手との関係性を絶ち切る立位法を解析し,相手との重心動揺の相関が小さくなることを明らかにしたほか,関係性を絶ち切る立位制御メカニズムについて新たな仮説を得た.
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