研究課題
違和感は、一般に、「しっくりしない感じ」と受け取られている。評価対象に対して、記憶している内容と実際に見ている対象との比較で、違いを見いだせない状態である。この違和感を生じるコンテンツとして、人物の眼の大きさおよび風景画用を対象に評価尺度を検討した。評価尺度として、1:明らかに変である、2:変である、3:違和感がある、違和感をやや感じる、5:違和感をまったく感じない、を用いることで、2つのコンテンツに対して違和感の定量化を図れた。特に風景画では、実写の富士山と葛飾北斎の赤富士の裾野の長さをパラメータとした結果で、顕著な結果が得られた。創造的な作業に取り組む人の心理および生体反応を分析した。その結果、(1)デザインの専門的な教育を受けている学生は、理工系の学生に比べて形状と陰影が実際とはちぐはぐに見える構造物(不可能モーションを伴う錯視立体)に違和感を抱くこと、(2)構造物を卓上でより高く組み上げる作業中に心拍数が早まる者は、その作業にストレスを感じずに没頭していることを明らかにし、これらの研究成果を国際学会で発表した。最後に、3次元コンピュータグラフィックスにより、日本の伝統文化であるいけばな(池坊流)の生花のスタイルを、いけばなの専門家が生けた生け花をモデリング、再現してそれを他の専門家に評価して貰い、いけばなの審美についての評価における3次元モデリングの有用性を評価した。しかしフォーマルなスタイルの生花では、厳密にそのスタイルに沿っていないいけばなは評価の対象以下であり審美の評価までには至らず、3次元グラフィックスの活用への課題が浮き彫りになった。しかし3次元で生け花作品を任意の方向から観察できることについては、有用であると評価する専門家が多かった。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Proceedings of the International Workshop on Advanced Image Technology (IWAIT2017)
巻: 1C(3DTV/FTV) ページ: pp.1-4
Digital Human Modeling: Applications in Health, Safety, Ergonomics and Risk Management LNCS (HCII2016)
巻: 9745 ページ: pp.568-575
10.1007/978-3-319-40247-5_57
Applications in Health, Safety, Ergonomics and Risk Management (HCII2016), LNCS
巻: 9745 ページ: pp.541-548
10.1007/978-3-319-40247-5_54
Lecture Notes in Computer Science
巻: 9745 ページ: pp 422-431