研究課題
本研究課題では、転写制御因子とそのターゲット遺伝子群の制御関係が調整因子(モジュレータ)依存的に変化するダイナミクスを記述した確率モデルを観測データから推定し、さまざまな転写制御因子の転写活性を制御するncRNAを網羅的に同定する。これにより、機能性ncRNAを効率的に探索するための転写調節ネットワークアトラスを構築する。平成29年度は以下の進展があった。①:ゲノム、エピゲノム、プロテオームといったトランスクリプトーム以外のオミクス情報を統合することで、モジュレータの推定精度を改善する方法を開発した。②:検証用に用いるデータベースの更新作業を行った。③:①で開発した手法をシミュレーション、および②で作成したデータベースを基に、推定精度を検証した。具体的には、The Cancer Genome Atlas における Pan-Kidney コホート研究における 893 症例のマルチオミクスデータに開発した手法を適用し、HIF1A のモジュレータ因子の探索を行った。その結果、これまでに既に報告のある HIF1A モジュレーター因子の同定に成功するとともに、新規のモジュレータ候補を同定できたことから、本解析手法の有効性を検証することができた。④:機能性ncRNAの網羅的探索を行う大規模パイプラインを構築し、同パイプラインのテストを実施した。具体的には、前年度開発したパイプラインを改良し、システムの精度・スループットを高めることによって、様々な疾患における新規モジュレータ因子の同定を可能する解析システムを構築した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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