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2016 年度 実績報告書

精神医学への新しいアプローチ:研究領域基準(RDoC)の計算論的基盤構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K12140
研究機関名古屋大学

研究代表者

片平 健太郎  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (60569218)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード研究領域基準 / 精神疾患 / 計算論モデル / 疾病分類学
研究実績の概要

精神医学の新しい研究アプローチとして研究領域基準(Research Domain Criteria; RDoC)が注目されている。RDoCは従来の疾患の分類の枠組みにとらわれず,症状の実態に即した行動指標とそれに対応する生物学的基盤に基づいて精神疾患をとらえようとする研究方略である。本研究では,従来の精神医学の基礎研究や臨床場面での応用においてこれまで中心的に用いられてきた疾患カテゴリベースの研究法と比べ,RDoCがどのような長所,および短所を持つかを理論的にあきらかにすることを目標とした。
初年度では精神医学の各研究法における,疾患因子の検出力を分析する理論的枠組みを構築した。2年目にあたる平成28年度ではその枠組みをさらに発展させ,精神疾患の生成過程モデルとしての計算論モデルを取り入れて具体的な精神疾患に対する研究方略を評価する枠組みを構築した。具体的な精神疾患の例として精神病の症状の生成過程を説明する計算論モデル (強化学習モデル; Maia & Frank, 2017) を取り入れたシミュレーションを行った。その結果,ドーパミン細胞の活動異常が症状の原因となるというMaia & Frank (2017) の仮定のもとでは,意欲消失等の陰性症状と幻覚等の陽性症状を分離して扱うRDoC的なアプローチが従来の診断カテゴリを用いる方法と比べてより高い検出力でその原因を見つけ出せることなどが明らかとなった。本研究成果は計算論モデルを用いて精神医学の研究方略を議論するための要素技術を確立したものといえる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A prototype model for evaluating psychiatric research strategies: Diagnostic category-based approaches vs. the RDoC approach2016

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Katahira & Yuichi Yamashita
    • 雑誌名

      arXiv preprint

      巻: arXiv:1609.00243. ページ: 1-31

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 条件づけ課題における不快事象回避の行動特性と生理活動の関係の検討―計算論モデル-研究領域基準 (RDoC) を通した精神医学への貢献に向けて―2016

    • 著者名/発表者名
      片平健太郎
    • 学会等名
      第34回日本生理心理学会大会
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス
    • 年月日
      2016-05-15

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公開日: 2018-01-16  

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