精神医学の新しい研究アプローチとして研究領域基準(Research Domain Criteria; RDoC)が注目されている。RDoCは従来の疾患の分類の枠組みにとらわれず,症状の実態に即した行動指標とそれに対応する生物学的基盤に基づいて精神疾患をとらえる研究方略である。本研究では,計算論モデルや統計モデルを用い,従来の精神医学の研究においてこれまで中心的に用いられてきた疾患カテゴリベースの研究法と比べてRDoCがどのような利点を持つかを理論的に検討するための枠組みを構築した。それにより,従来の疾患のカテゴリーを用いる方略よりRDoCが高い確率で病因を同定できる条件などを議論した。
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