器官形成過程は異なる階層が相互作用しあう複雑な現象である。本研究課題では組織変形動態解析を起点として、器官形成機構の解明に取り組んだ。 ニワトリ前脳領域の初期発生過程に注目し、細胞レベルでの4D計測を行い、変形特徴量の時空間パタンの抽出を行った。その結果、大きな形態変化には組織全体にわたって見られる異方的な変形がその主因子であることが明らかとなった。次に、形態変化を実現する細胞レベルでのメカニズムの研究を行った。細胞の大きさや形状には大きな変化はなく、また細胞の分裂方向も規則性がないことから、方向依存的な組織の変形は細胞集団がその位置を再配列することによって実現されていることが示唆された。
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