研究課題/領域番号 |
15K12157
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北村 由美 京都大学, その他部局等, 准教授 (70335214)
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研究分担者 |
佐藤 翔 同志社大学, 付置研究所, 助教 (90707168)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 東南アジア研究 / 研究図書館 / コレクション評価 / ビブリオ・メトリックス / 蔵書分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、旧宗主国(オランダ)と冷戦期地域研究の担い手(アメリカ)、東南アジア現地(シンガポール)、日本における東南アジア研究コレクションと研究成果の関連性を実証し、その実証に基づいて循環型コレクションモデルを創出することを目的としている。そのために、1)1950 年代から2010 年代までの東南アジア研究の動向分析と図書館コレクションの相関性の国際比較、2)Bijdragen tot detaal(オランダ)、Journal of Asian Studies、Indonesia(アメリカ)、Journal of Southeast AsianStudies(シンガポール)、『東南アジア研究』(日本)のビブリオメトリックス分析、3)現地発信の東南アジア研究情報の言語・メディア・媒体・出版地のマッピング、を行う予定である。
今年度は3回研究会を開催し、次の3点を行った。まず上記の1)と3)に関連して、東南アジア研究の転換点とされているベトナム戦争の時期に注目し、コーネル大学図書館が編纂したベトナム戦争関連の書誌目録データをもとに、国内外の所蔵調査方法を検討した。次に2)に関連して、本研究の主要な分析対象の一つであるトムソン・ロイター社の引用文献データベースWeb of Scienceに掲載されている欧文3誌、Bijdragen tot detaal、Journal of Asian Studies、Indonesia、Journal of Southeast AsianStudiesのデータを購入し、分析方法について検討した。また、学内の研究グループ「研究連携基盤・学知創生ユニット」と協力し、『東南アジア研究』の分析に関して検討した。
なお、情報公開のためのウェブサイトを作成・公開した。【URL:http://project-archives.org/2015houga/】
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初計画していた研究内容のうち、1)Web of Science収録誌の購入と分析方法の検討、2)雑誌『東南アジア研究』の分析方法の検討、3)1や2の引用情報とテーマ別書誌から抽出した書誌情報を活用してAPIにて所蔵確認を行う方法の検討など、研究を進めていく上で核となる手法の検討と情報共有を行うことができたという点では、順調に進展した。一方で、当初予定していた海外コレクションの現地調査については実行できなかった。全体的な評価としては、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究活動を通じて、現在の研究グループメンバ-以外にも、情報学系研究者、図書館員、学術雑誌編集者とそれぞれ本研究テーマに関連しながらも多様な専門性を持つメンバーとの協力体制が形成された。28年度以降は、これらのメンバーを分担者や連携研究者として研究組織に加え、研究のさらなる促進をはかる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、本科研の支出項目の中で、最も多額となるトムソン・ロイター社による引用文献データベースWeb of Scienceのデータ(物品費)のデータ内容の確認と金額の確定に時間がかかったため、研究会の開催とHPの立ち上げなどは研究メンバーの協力を得て、別予算で補完した。結果的に、当初の予定を下回る支出となったため、次年度の研究活動を充足させたい。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、研究組織を再編し、現在の連携研究者2名のうち1名を分担者とすると同時に、新たな分担者2名と連携研究者1名を加え、7名体制とする。次年度使用額については、次年度予算と合算し、新たな研究メンバーへの分担金を充当させることで、研究活動全体を推進させる予定である。
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