研究課題/領域番号 |
15K12157
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北村 由美 京都大学, 附属図書館, 准教授 (70335214)
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研究分担者 |
佐藤 翔 同志社大学, 免許資格課程センター, 助教 (90707168)
矢野 正隆 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 助教 (80447375)
設樂 成実 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (00727943)
亀田 尭宙 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (10751993)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 東南アジア研究 / 研究図書館 / コレクション評価 / ビブリオ・メトリックス |
研究実績の概要 |
本研究は、21世紀に入り、地域研究に関する世界的な研究図書館のいくつかが閉鎖したことを発端として構想された。研究図書館の危機の一因は、蔵書と研究成果の関係性が明確でないことである。このような現状を打開し、グローバル化時代の社会的要請に研究コレクションが応えるためには、歴史的経緯を踏まえた上で、資料と研究成果の相関関係の検証を長期的スパンに亘って国際比較を行い、研究コレクションと研究成果の関係性を実証的に把握するメカニズムを構築することが不可欠である。 本研究の具体的な目的は、東南アジア研究における図書館コレクションと研究成果の関連性を検証した上で、その実証に基づいて研究コレクションの循環型モデルの創出を行うことである。今年度は国内研究会を2回開催し、主に次の3種類の調査を行った。①日本国内における東南アジア研究の動向をA)学会における発表内容、B)和文学術雑誌における引用文献の動向分析、C)京都大学東南アジア研究所図書室の蔵書、の3点から分析。②ベトナム戦争期アメリカにおける地域情報の収集と当該資料の所蔵に関する調査。③Web of Science 引用データの分析手法の検討。これらの研究活動を通して、東南アジア研究資料の収集と研究の進展の関連性を検証する上で、ベトナム戦争前後の資料収集状況とベトナム研究の深化に注目することが有益であることが分かった。そこで今後は、特にアメリカと日本におけるベトナム戦争前後の研究動向と図書館蔵書に関する分析をすすめていく予定である。その上で、来年度は研究コレクションの循環型モデルの検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本とアメリカにおける主要東南アジアコレクションと雑誌データの分析をすすめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
図書館特にアメリカと日本におけるベトナム戦争前後の研究動向と図書館蔵書に関する分析をすすめていくために、今年度同様、Web of Scienceデータの整理をすすめなががら、アメリカと日本の雑誌の引用分析、APIを活用した所蔵状況の分析を行う予定である。その上で、来年度は研究コレクションの循環型モデルの検討を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、研究組織を拡大した結果、それぞれのメンバーの持つ知見をもとに研究をすすめることができたため、結果的に予定していた人件費の使用などがおさえられた。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度である次年度は、これまでの調査結果の分析を一層すすめるために国内研究会の開催回数の開催を増やす予定である。上記差額に関しては、国内研究会に使用する。
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