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2016 年度 実施状況報告書

日中比較文学の影響分析における定量的方法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K12162
研究機関山口大学

研究代表者

吉村 誠  山口大学, 教育学部, 教授 (70141116)

研究分担者 葛 崎偉  山口大学, 教育学部, 教授 (30263750)
中田 充  山口大学, 教育学部, 教授 (60304466)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード日中比較文学 / データベース / 語彙解析
研究実績の概要

5月に北京大学附属図書館に赴き、『文心彫龍』および『毛詩』の必要な箇所の中国側の諸注釈書や内容の調査、研究論文での研究段階の調査を行う。同時に万里の長城に赴き、文人や詩人の詩作対象とした景観や風土を視察。『万葉集』に描かれる日本の風土との相違も確認した。
調査した『文心彫龍』や『毛詩』の詩学的側面の考察および必要となる詩を抽出し、比較のための理論を構築する。中国の文学史の中で以下に詩作のために構築されてきた詩学的方法論であるが、その理論をもとに『万葉集』の歌と比較。比較には、構築中の『文選』と『玉台新詠』データベースと既作成の『万葉集』データベースを利用し、仕様語彙のレベルなど内容面等から遺漏のないように精密な比較を確認した。
その上で比較のための『万葉集』歌の文学史的理論の構築を行った。
葛は、データベース構造の完成度を高めるためのグラフ理論を用いて、アルゴリズムの構築を再検討。中田は、具体的にその理論をもとにプログラムを書き、実装して実用に近いプロトタイプを構築した上で検証を行い、電子化した『玉台新詠』と『文選』のデータを注入して、データベースを完成した。そしてさらに『万葉集』データベースとの比較の自動化を目指し、比較検証を行った。
ただしまだ試作段階であるために、上記具体的な比較は全課題には至っていない。
一部その成果を『山口大学教育学部論叢第66巻第1部(2016)に「大伴家持の『君臣』表現ー『頌』からの視点ー」と題して発表した(謝辞を掲載する)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データベースの構築は構築されたアルゴリズムに基づいて、ほぼ構築され、データ入力を一部残すのみとなっている。
ただ、十分な検証は今後の課題であり、すでに明らかにされた比較結果に基づいて、正確な結果が得られるかどうかを確かめる必要がある。
一方で、具体的な内容研究については、中国の詩学的見地から万葉集との比較を一部行っており、その成果を提出している。

今後の研究の推進方策

全データの入ったデータベースを完成させ、当初の目的通りの語彙、内容からの検索が有効であるかを検証する。
それに基づいた具体的な比較(「閨怨詩と相聞歌」等を主題とする論文発表)などを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

購入物品が見積もり価格よりも低価格で納入されたことと、プリンター用紙およびDVD等の消耗品の必要がなくなったため。

次年度使用額の使用計画

まだ調査が必要であるので、調査旅費(国内)に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 大伴家持の「君臣」表現ー「頌」からの視点ー2016

    • 著者名/発表者名
      吉村誠
    • 雑誌名

      山口大学教育学部論叢

      巻: 66巻1部 ページ: 89-97

    • 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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