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2017 年度 実績報告書

日中比較文学の影響分析における定量的方法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K12162
研究機関山口大学

研究代表者

吉村 誠  山口大学, 教育学部, 教授 (70141116)

研究分担者 葛 崎偉  山口大学, 教育学部, 教授 (30263750)
中田 充  山口大学, 教育学部, 教授 (60304466)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード文学 / 日中比較 / 万葉集 / 玉台新詠 / 電子テキスト
研究実績の概要

本研究テーマである「日中比較文学の影響分析における定量的方法の研究」の最終年度にあたる。前年度までに作成した中国の詩書である『詩経』『文選』『玉台新詠』と日本の歌集『万葉集』の電子テキストを用いて、必要語彙を抽出し、日中の詩作品に共通に見られる語彙を含む作品の検証を行った。日中の文学的影響関係はすでに論じられているが、特に自然描写、恋愛感情に調査語彙を集中させ、その中でも情詩のテーマ性に着目し、共通関係を探った。
語彙的には自然景物として「鶯」「蟋蟀」「蓬」「雁」「黄葉」どの語彙に共通性が見られたが、もっとも多くあるのは、「恋情」に関するものである。
そうした中で中国の『詩経』から『文選』に至るまで恋情詩においては、一連の文学史的流れがあり、遠征した夫を待ちわびる婦人の情や、逆に浮気して帰ってこない夫を怨む怨恨などが共通していること。『万葉集』においても同一の語彙を用いて類似の表現になっていることなどを特定し、『玉台新詠』情詩と『万葉集』磐姫皇后歌に具体的にテーマを絞って立論した。内容的には遠く万里の長城建設に徴用されている夫を慕う婦人の情が『万葉集』の「山尋ね」の語彙と関係しているという発見である。
これは研究協力者である台湾淡江大学の馬銘浩教授と中国山東大学の肖霞教授と方法、内容について討論し、多角的に検討した結果、その成果を元に台湾で行われる国際シンポジウムで発表する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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