研究課題/領域番号 |
15K12163
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
高橋 寿美子 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 助手 (40579182)
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研究分担者 |
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 所長 (50114046)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 日本文学 / 文学情報 / 計量分類 / 計量分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本近現代文学関連の辞書・事典や文学全集等に収録された伝記的事実に関する情報等をもとに、作家の属性を計量的に分析・分類し、現行の文学史上の分類と比較対照することにより、現在通行する文学史の検証を行うことである。逐次、収集・分析した情報もとに「日本近現代作家属性データベース」(以下「データベース」と記す)の作成を進め、最終年度に完成させ、さらに、インターネットを通じて一般に公開する。なお、「データベース」に収録する内容は、明治期から昭和期に活躍した作家の属性情報である。初年度となる平成27年度は、以下のとおり研究を実施した。 現在刊行されている日本近現代文学関連の辞書・事典では、1冊の中でも、作家によって記述項目が異なっており、ある程度の知名度がある作家であっても、かなりのバラツキがある。そこで、そうした辞書・事典のうち、情報量が多く、代表的かつ定評のある『日本近代文学大事典』第1~3 巻人名(講談社)、『日本現代文学大事典』人名・事項編(明治書院)、『明治大正昭和 作家研究大事典』(桜楓社)によって、どの作家が、どのような項目について記述されているかを調査し、その結果によって、「データベース」に収録する作家と最適な項目を選定しつつ、「データベース」への情報入力を開始した。 なお、収録する情報収集については、上に示した文献の他、『新潮日本文学辞典』(新潮社)、『新現代日本執筆者大事典』(日外アソシエーツ)、『近代文学研究叢書』(昭和女子大学近代文化研究所)、『明治文学全集』(筑摩書房)等の文学全集、各作家の個人事典・全集等を適宜使用した。さらに、『近代文学評論大系』(角川書店)、『文藝時評大系』(ゆまに書房)、『近代日本総合年表』(岩波書店)等、明治期から昭和期における文壇の状況や、社会全体の状況に関する文献・資料からの情報収集も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」欄で述べたように、現在刊行されている日本近現代文学関連の辞書・事典では、1冊の中でも、作家によって記述項目が異なっており、ある程度の知名度がある作家であっても、かなりのバラツキがある。予定どおり、『日本近代文学大事典』第1~3 巻人名(講談社)、『日本現代文学大事典』人名・事項編(明治書院)、『明治大正昭和 作家研究大事典』(桜楓社)によって、どの作家が、どのような項目について記述されているかを調査したが、そのバラツキの程度は想定以上であり、「データベース」に収録する作家と最適な項目をその段階で確定することは不可能であった。そこで、暫定的に定めた作家について情報の入力を開始し、最終的に「データベース」に収録すべき作家および項目(数値化可能な項目)を熟考しつつ作業を進めている。このような状況および経費不足もあり、現段階において、情報収集や入力作業は、アルバイト等を雇用することなく、研究代表者自身が行わざるを得ない。よって、「データベース」の入力作業の進捗状況が当初の予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引きつづき、文献から作家の属性情報を収集し、「データベース」の入力作業を進めていく。ただし、「現在までの進捗状況」欄で述べたように、最終的に「データベース」に収録すべき作家や項目(数値化可能な項目)を熟考しつつ作業を進めなければならないこと、また、経費不足もあり、情報収集や入力作業は、アルバイト等を雇用することなく、研究代表者自身が行わざるを得ない。この状況は当面続くものと推定され、今後さらなる作業の遅れが懸念される。よって、平成28年度に予定していた「作家の印象に関するアンケート調査」の実施、および作品における頻出語句を中心としたテキスト分析は取り止め、当初の予定どおり、最終年度末までに「データベース」を完成させることを目指すものとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
「現在までの進捗状況」欄に記した事情により、「データベース」作成のための情報収集および入力作業がやや遅れている。その作業の遅れによって、平成27年度に行う予定であった情報分析・解析の一部を次年度に行うことになったため、それに関わる経費も次年度に使用することとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、引きつづき、文献から作家の属性情報を収集し、「データベース」の入力作業を進めていく。当該経費は、その作業の遂行過程において平成28年度中に使用する。
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