研究課題/領域番号 |
15K12167
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
上山 輝 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (90334705)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 手話 / 映像教材 / Webアプリケーション |
研究実績の概要 |
平成28年度については,まず前年度の研究で教育現場から指摘された,日本手話,日本語対応手話の違いについて,その特徴について把握することから始めた。 その結果,日本語対応手話は支援学校の生徒が社会に出ていくために必要なものと捉えられている一方で,ろう者同士のコミュニケーションでは日本手話が使用されることが多く,どちらか一方の手話を用いるのではなく,教材としては両方の手話に対応できるように修正を加えることとした。 具体的には,学習開始の際に日本手話と日本語対応手話を選択できるようにしたほか,メインコンテンツ内にも日本手話<ー>日本語対応手話の動画の切り替えが瞬時に行われるように切り替えボタンを設置した。また,学習記録機能の改善を図り,学習の進捗度を選択できるようにしたほか,その結果をメニューから学習記録として確認することができるようにした。さらに,実際に手話の指導を行っているろう者の方に表現の慣習を依頼し,手本動画内の表現を見直し一部映像の差し替えを行った。 これらの修正により,手話を読む,行うの両方を学ぶことに加え,ろう者と健聴者の間にある文化的な違いについても考慮した,日本語対応手話/日本手話の切り替え機能をもたせることで,より現実的な学習教材となる可能性についても見通しを持つことができたものと考えられる。 これまでの研究成果のまとめは富山大学人間発達科学部紀要第11巻第3号に掲載される予定である(校正中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の成果としては,昨年度から比べるとより具体的なものが出てきており,概ね順調と考えられる。タブレット用の映像については,システム開発の途中であり,この部分が完成すれば,実際の学習までを視野に入れた教材の評価が可能になる予定である。映像については,ほぼ撮り終えていると考えているが,テストの結果から追加修正等も想定しながら進めている。
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今後の研究の推進方策 |
映像資料の再チェックを行い,必要に応じて追加修正を検討する。また,タブレット用のシステムを早期に完成させシステム全体の評価テストを行い,問題点があれば抽出し,修正を加える。
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次年度使用額が生じた理由 |
納品予定のソフトウェアについて,前年度と同じ方法での納品を希望したが,決済方法が変更されたことから,一旦キャンセルとなり,年度末までに対応できなかった。 追加の映像についての検討の前に,システムの開発に注力したことで,映像編集,演者謝金等への対応ができなかった。 旅費については,研究打ち合わせ等の場所の関係から残金が出ている。
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次年度使用額の使用計画 |
ソフトウェアついては,次年度において,改めて所属機関の助言に基づいた別の方法での決済,納品を予定している。 追加の撮影や編集については,適宜行う。 旅費については,発表場所等の都合に合わせて適切に支出する予定である。
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